
アフリカは政情が不安定な国が多いです。イギリスの雑誌エコノミストの2008年の調査結果によれば、対象50か国のうち、15か国は独裁と民主制の混合状態、28か国は完全な独裁体制と分析されています。
19世紀、ヨーロッパ諸国がこぞってアフリカに進出し、分割支配(※1)を行いました。その結果様々な民族が混在・分断されてしまい、独立後も国民がうまくまとまらず、強権的な支配体制をとらざるを得なかったのです。
※1…アフリカの国境に直線が多いのは分割支配のなごりです。国境の直線は経線・緯線に沿って引かれています。
形式的に民主主義を取り入れている国もありますが、貧困により教育を受けられない子供が多く、大多数の国民が政治に参加できずにいます。実質的に一部の富を持ったものの独裁体制が出来上がってしまうのです。
もちろん独裁国ばかりではなく、数少ないながらも、南アフリカやモーリシャスのように、複数政党制が機能している民主主義国家もあります。
またソマリア内戦、コンゴ内戦、ダンフール紛争など、民族や宗教を原因とした内戦・紛争も絶えず、政治を混乱させる大きな要因となっています。
内戦や紛争が原因で発生する貧困・食糧不足が多くの人々を苦しめ、そんな苦しみから逃れるために数百万人の難民が発生しています。
アフリカで内戦や紛争と無関係でいられる国は数えるほどしか存在せず、健全な民主主義の実現は、非常にハードルが高いことなのです。