ベナンの歴史概説

ベナン地域は古代から多様な文化が栄え、特に16世紀から19世紀にかけてはダホメ王国が存在しました。この王国は女性兵士(アマゾン)で知られ、また奴隷貿易の中心地でもありました。

 

19世紀末、ヨーロッパのアフリカ分割の一環としてフランスの植民地となり、1960年にフランスから独立を達成しました。

 

その後、政治的な不安定さが続き、1975年に国名を「ベナン人民共和国」に変更し、社会主義政策を推進するマチュー・ケレクウが長期間権力を握りました。

 

しかし、1980年代の経済危機をきっかけに1990年にマルチパーティ制が導入され、民主的な選挙が行われました。以降、政権交代を伴う民主化が進んでいます。

 

一方で、経済発展の遅さ、貧困問題、教育の不足、腐敗など、依然として多くの課題が存在しています。

ベナンの歴史年表

時期 出来事
1600年 - 1900年 ダホメ王国が存在し、奴隷貿易で栄える。
1892年 フランスによる植民地化。ダホメ王国が滅ぼされ、フランス領西アフリカの一部となる。
1958年 フランス共同体の一員となり、自治共和国となる。
1960年8月1日 フランスから独立し、ダホメ共和国となる。
1972年 クーデターによりマチュ・ケレクーが政権を掌握。マルクス・レーニン主義政策を推進。
1975年 国名をベナン人民共和国に変更。
1990年 多党制を導入し、社会主義政策を放棄。ベナン共和国となる。
1991年 マチュ・ケレクー大統領が非暴力による選挙で失脚。ニセフォール・ソゴロが大統領に就任。
1996年 選挙によりマチュ・ケレクーが再び大統領に就任。
2021年 パトリス・タロンが大統領に再選。