エチオピアの歴史概説

エチオピアは、古代からの文化と歴史を持つアフリカの国で、人類の起源の地とも言われています。紀元前1千年紀にはアクスム王国が成立し、4世紀にはキリスト教が導入され、現在でも多くのエチオピア人が正教会を信仰しています。

 

中世にはソロモン朝が成立し、中央集権的な国家として成長しました。しかし、19世紀にはヨーロッパ諸国によるアフリカ分割の影響を受け、一時イタリアに占領されるなどしました。

 

20世紀に入り、ハイレ・セラシエ1世の統治下で、エチオピアは近代国家として成長。しかし1974年に共産主義の軍事政権(デルグ)によるクーデターが起こり、その後の社会主義体制下で深刻な飢饉が発生しました。

 

1991年にデルグ政権が崩壊し、多民族連邦制となりましたが、エチオピアは政情不安や民族間の緊張、貧困などの問題に直面しています。

エチオピアの歴史年表

時期 出来事
紀元前2千年紀 - 1千年紀 セム系とクシ系の民族が南西から流入し、アカスム王国の礎を築く。
1世紀 - 7世紀 アクスム王国が栄え、キリスト教が国教となる。
1270年 ソロモン朝が成立し、ラスタファリ運動の根源となる。
1889年 メネリク2世が皇帝に即位し、近代エチオピア帝国を建設。
1936年 - 1941年 イタリアの侵略と占領期間。第二次エチオピア戦争を参照。
1952年 エリトリアがエチオピアに併合される。
1974年 皇帝ハイレ・セラシエ1世が軍部により廃位され、エチオピア人民共和国が成立。
1991年 エチオピア人民革命民主戦線がミンギスツ政権を打倒、連邦制を導入。
1993年 エリトリアが独立。
2019年 アビー・アフメド首相がノーベル平和賞を受賞。