チュニジアの歴史概説

チュニジアは古代に栄えたフェニキア人の都市国家カルタゴの地で、ローマ帝国の一部となった後、5世紀にはヴァンダル王国、7世紀にはイスラム勢力の進出を経験しました。

 

16世紀からはオスマン帝国の支配下にあり、19世紀にフランスの保護領となりました。フランス統治下では、ヨーロッパ風の近代化が進められました。

 

1956年にフランスから独立を達成し、ハビーブ・ブルギーバが初代大統領となり、近代的な民主国家を目指しました。しかし、独立後の政治はブルギーバとその後継者ゼィネルアービディーン・ベンアリーの長期独裁により、民主的な自由は制限されました。

 

2011年、高まる社会不満がアラブの春と呼ばれる広範な民主化運動を引き起こし、ベンアリーは失脚しました。その後、チュニジアは憲法改正を行い、アラブの春の中でも比較的安定した民主化の道を進んでいます。しかし、経済の停滞やテロリズムの脅威など、課題も多いです。

チュニジアの歴史年表

時期 出来事
9世紀 BC フェニキア人がカルタゴを建設。
146 BC 第三次ポエニ戦争の結果、カルタゴはローマに征服される。
7世紀 アラブのイスラム勢力がチュニジアを征服。
1574年 オスマン帝国がチュニジアを征服、チュニス地域を保護領とする。
1881年 フランスがチュニジアを保護国化、フランス植民地となる。
1956年 チュニジアがフランスから独立、ハビーブ・ブルギーバが初代大統領に就任。
1987年 ザイン・アル=アービディーン・ベン=アリーがクーデターにより大統領に就任。
2011年 アラブの春の一部として起きた抗議によりベン=アリー大統領が追放される。
2014年 チュニジアで初の自由な大統領選挙が行われ、ベジ・カイド・セブシが大統領に選出。
2019年 カイス・サイードが大統領に選出される。