コートジボワールは西アフリカに位置する国で、その文化は多様な宗教によって色彩豊かに形成されています。宗教は人々の生活や社会のあり方に深く影響を与えており、その概観を知ることは、コートジボワールという国を知る上で有益であるといえます。そこでここでは、コートジボワールの宗教事情について、信仰の特徴・割合・歴史などの観点から解説しています。

主要な信仰とその割合

コートジボワールの宗教的な構成は非常に多様で、イスラム教、キリスト教、土着信仰が混在しています。国全体で見ると、イスラム教徒が最も多く、約38.6%を占めています。キリスト教徒は32.8%、伝統的なアフリカの宗教の信者は約11.9%、無宗教者は16.7%となっています。^[1]

宗教の特徴と影響

イスラム教とキリスト教は、コートジボワールの社会や文化に大きな影響を与えると共に、地域や民族の特性によって、実践の仕方や信仰の形に多様化がみられます。一方、土着信仰は、祖先崇拝や自然崇拝を中心に、日常生活のあらゆる側面に影響を与え、コートジボワール人のアイデンティティに結びついています。

宗教の歴史

イスラム教は11世紀にサハラ交易を通じてもたらされ、キリスト教は19世紀から20世紀初頭の植民地時代に欧州からもたらされました。これらの宗教が広まる前は、土着信仰が主流で、後からキリスト教やイスラム教が混在することで、コートジボワール特有の豊かな宗教文化が形成されたのです。