ソマリア内戦は1991年に始まった長期にわたる軍事衝突で、ソマリア全体が影響を受けています。これは、独裁者ムハンマド・シアド・バーレ大統領が軍事クーデターにより政権から追放された後、異なる勢力が権力を巡って争い始めたことから発生しました。
内戦の初期段階では、主に部族間の対立が目立ち、国内は無政府状態に陥りました。この結果、一部地域ではイスラム法(シャリーア)に基づく法制度が施行され、それに伴い厳格な社会規範が定着しました。その中で特に有力な勢力として現れたのが、イスラム法廷連合(ICU)で、一時は首都モガディシュを含む広範囲を支配下に置きました。
しかし、2006年にエチオピアが介入し、ICUは敗北。その後の勢力争いの中で、急進的なイスラム教徒の集団アル・シャバブが台頭し、現在もソマリア南部を中心に活動を続けています。
国際社会も介入して和平と国家の再建を試みていますが、安定した政府の樹立や全土の平和確保には至っていません。長期化する内戦は国民の生活を大きく破壊し、人道的危機を引き起こしています。