アフリカにも食事のマナーはあります!

アフリカの食事マナー

アフリカの食事には、手で食べる文化や家族で分け合う習慣があります。地域によっては右手のみを使うなど、独自の礼儀が存在します。本ページでは、西アフリカや北アフリカの食文化や社会的マナーを理解する上で重要なこのテーマについて、より深く探っていこうと思います。

アフリカにも食事のマナーはあります!

アフリカの食事って、手で食べたり、みんなで一つの皿を囲んだり、なんだか自由でワイワイしたイメージありませんか?


確かにカジュアルで楽しい雰囲気も多いんですけど、実はその中にもしっかりとした「マナー」や「ルール」があるんです。「自由=なんでもOK」じゃないんですね。そこには敬意・感謝・共同体の一体感が表れていて、どれもその土地の価値観がにじみ出ているんです。


ここではそんな“アフリカの食事マナー”を、いくつかの例を挙げながらご紹介します!



右手で食べるのが基本!

インジェラを手で食べる場面(エチオピア)

インジェラを手で食べる場面(エチオピア)
テフ粉のクレープ状主食インジェラの上に料理を載せ、右手でちぎってつまむスタイル。手食文化では洗った手で共有の皿から取り分け、食卓の一体感を大事にする。

出典:『Eating Injera, Ethiopia』-Photo by Rod Waddington / Wikimedia Commons CC BY-SA 2.0


アフリカの多くの地域では、「右手=清い手、左手=不浄の手」とされています。 これは宗教的な考え方(特にイスラム教の影響)や生活習慣からきていて、左手で食べるのは失礼にあたることがあるんです。


なので、手で食べるスタイルの国では、右手だけで器用にちぎって、すくって、口へというのがマナー。


もちろん慣れてない人には難しいかもしれないけど、「右手で食べようとする姿勢」がちゃんと伝われば、それだけでも敬意が伝わります。


目上の人より先に食べるのはNG

たとえばエチオピアやナイジェリアでは、年長者やお客さんが先に食べるのが礼儀とされています。


もし自分が若かったり、訪問者の立場だったら、「どうぞ」とすすめられてから手をつけるのが正解。


これは年齢や立場へのリスペクトを表す文化で、日本の“いただきます”とちょっと似た感覚があるかもしれません。


食べるスピードも「空気を読む」

一緒に食べる人よりあまりにも早く食べ終わるのは、ちょっと気まずい…。 とくに同じ大皿を囲んでいるときは、「みんなで共有している」という意識がとても大事なんです。


だから、ペースを合わせたり、「もう少し食べる?」と声をかけ合ったり、“自分だけの食事”じゃないという気づかいが自然と求められます。



食後の感謝は、言葉じゃなく行動で

食べ終わったあと、「ごちそうさまでした!」って言いたくなりますよね?でも、アフリカではそれを“言葉”ではっきり言うよりも、態度や行動で示すことが多いんです。


たとえば──


  • 静かに器を片付ける
  • 「ありがとう」と目で伝える
  • お皿を下げるのを手伝う


こういうちょっとした気づかいが、「おいしかった」「感謝してる」っていうメッセージになるんですね。


食事は「共有するもの」っていう感覚

食前の手洗い用の洗面器とピッチャー(セネガル)

食前の手洗い用の洗面器とピッチャー(セネガル)
食事前に席で手を洗ってから料理に向き合う慣習を示す道具。共有の食卓で右手を用いる前提の基本マナーとして手指を清める。

出典:『AFRICA BASIN AND PITCHER FOR WASHING HANDS』-Photo by T.K. Naliaka / Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0


アフリカの多くの地域では、一人ひとりが自分の皿で食べるというより、みんなで一つの皿を囲むスタイルが基本。このとき大事なのが、「自分の前のエリアを食べる」っていうルール。


つまり、向かい側に手を伸ばしたり、真ん中を掘りまくるのはNGなんです。お互いが気持ちよく食べるための、暗黙の“エリア分け”マナーがあるんですね。


アフリカの食事マナーは、形式ばったルールじゃなくて、人と人とのつながりを大切にする心から生まれてるんです。誰かと一緒に食べること、敬意を払うこと、気を配ること──どれも、日常のなかの小さな“思いやり”なんですね。