
「プランテーション」って聞くと、なんとなく“海外の大きな農園”ってイメージありませんか?でも実は、アフリカにも昔から広大なプランテーション農場がたくさんあって、カカオやコーヒー、バナナや綿花といった世界的な作物を今も大量に生産しているんです。ただし、その背景には植民地時代の歴史や、労働問題・経済格差といった深いテーマも…。ここではそんなアフリカのプランテーションについて、どこに多くあるのか、どんな作物が栽培されているのかを詳しく見ていきましょう。
プランテーションとは、単一の作物を大規模に栽培する農園のこと。多くは輸出向けの現金作物(キャッシュクロップ)が栽培されていて、欧米など外の国へ売るために作る農業スタイルなんです。
アフリカにこの形が広まったのは19世紀以降の植民地時代。ヨーロッパの国々がアフリカ各地を支配し、自国の産業を支えるためにコーヒーや綿花、サトウキビなどのプランテーションを開発しました。その影響で、今もプランテーション経済に依存している国が少なくありません。
プランテーションは気候が温暖で、雨が適度に降る地域に多く見られます。とくに赤道周辺の熱帯地域や、海沿いの肥沃な土地に集中しているのが特徴です。
この地域では、カカオや油やしが輸出収入の大きな柱になっており、多くの小規模農家も参加する一方で、労働環境や児童労働の問題も指摘されています。
これらの国では標高が高く冷涼な気候が、コーヒーや紅茶の栽培にぴったり。ブランド化も進んでいて、輸出向けの品質重視の農業が展開されています。
特にモザンビークやザンビアでは、外国資本による農園投資が増えていて、土地の所有や収益配分をめぐる議論が活発化しています。
アフリカのプランテーションでは、次のような輸出向けの主要作物が多く栽培されています。 それぞれ、気候や土壌に合った地域で育てられ、世界市場に向けて出荷されています。
チョコレートの原料であるカカオ豆。コートジボワールとガーナだけで世界の約6割を占めるほどの主力作物で、農村経済を支える大黒柱です。
特にエチオピアやウガンダが有名で、アラビカ種・ロブスタ種ともに栽培されています。世界的に高評価のブランドも多く、重要な外貨獲得源です。
高地で栽培されるケニア紅茶は特に香りがよく、世界中で愛飲されています。茶葉の収穫と加工は多くの雇用を生み出しています。
食用油や石けん、化粧品の原料として使われるパーム油。アフリカでも生産が盛んで、需要の増加に伴い大規模プランテーションが拡大中です。
衣料品や繊維産業の原料として重宝される作物。乾燥地帯でも育ちやすく、西アフリカ内陸部を中心に広く栽培されています。
砂糖やエタノール(バイオ燃料)の原料になる作物で、水資源のある地域での栽培が盛ん。とくに沿岸部の大規模農園でよく見られます。
たばこ葉の輸出は、これらの国にとっては重要な外貨収入源。品質の高いバージニア葉が栽培されており、世界市場で需要があります。
アフリカのプランテーションは今も外貨獲得の重要な手段ですが、一方でモノカルチャー経済(特定作物への依存)、児童労働や低賃金といった社会課題も残っています。
最近では、フェアトレード認証を受けた農園や、環境に配慮した持続可能な栽培方法を広げる動きも加速中。
さらに、地元企業や農民グループが加工や販売まで担う「アグリビジネス化」も進んできていて、「育てるだけ」から「付加価値を生み出す農業」への転換が模索されているんです。
アフリカのプランテーションは、ただの“大きな農場”じゃなくて、歴史、経済、暮らし、そして国際社会とのつながりが詰まった場所。そこから世界に届くコーヒーやチョコの裏側にも、ストーリーがあるって知ると、ちょっと味わいが変わるかもしれません。