地域で違うアフリカの「主食」とその食べ方

アフリカってひとくくりにされがちだけど、実は50以上の国と1000を超える民族がある、めちゃくちゃ多様な大陸なんです。当然ながら、「何を主食にしてるか」も地域によってぜんぜん違うんですよ。

 

パンやお米だけじゃない、キャッサバやトウモロコシ、雑穀など、その土地で育てやすい作物をうまく使って、しかも食べ方にも個性があるのが面白いところ。

 

この記事では、アフリカの主な地域ごとに、どんな主食があるのか、そしてそれをどう食べるのかをのぞいてみましょう!

 

 

西アフリカ|フフとバンクが“手で食べる”主食

ナイジェリアやガーナを中心とした西アフリカでは、キャッサバ・ヤムイモ・プランテン(調理用バナナ)をつぶして練った「フフ」や、トウモロコシ粉を使った「バンク」が定番の主食です。

 

どちらももちもちした団子状で、カレーみたいな濃厚スープにちぎってつけて食べるのがスタイル。

 

しかもフォークやスプーンじゃなくて手で食べるのが基本!手でちぎって、くるっと丸めて、スープをすくうようにして口へ――これがまた上手な人はめちゃくちゃカッコいいんです。

 

東アフリカ|インジェラの酸っぱさにハマる?

エチオピアやエリトリアといった東アフリカの主食といえば、「インジェラ」。これはテフという栄養豊富な穀物の粉を発酵させて焼いた、大きなクレープ状のパンなんです。

 

味はちょっと酸っぱめで、最初はびっくりする人も。でもスパイスたっぷりの煮込み料理と一緒に食べると、これが不思議と合うんです。

 

しかも皿ごとインジェラ。つまり、大皿にインジェラを広げて、その上に具を乗せて、ちぎってすくって食べる。これまた手で食べる文化で、みんなで同じお皿を囲むのがまた楽しい。

 

南部アフリカ|パップが日常のど真ん中

南アフリカやジンバブエ、ボツワナなど南部アフリカでは、「パップ(pap)」と呼ばれるトウモロコシ粉の練り粥が主食です。これ、ちょっと日本のおかゆとかマッシュポテトに近い食感。

 

朝はミルクと砂糖で甘くして、夜は肉の煮込みや野菜の炒めものと一緒に食べるなど、一日中活躍する万能食なんです。

 

ちなみに硬さは地域や家庭によって違って、ふわふわのものからモッチモチの団子状までいろいろ。これも手でくるっとすくって食べるのが一般的です。

 

 

北アフリカ|クスクスとパンが食卓の要

モロッコやチュニジア、エジプトなど北アフリカでは、小麦文化が中心。特に有名なのが「クスクス」ですね。

 

これは小さな粒状のパスタのようなもので、肉や野菜の煮込みと一緒に蒸して食べる、ふんわり系の主食です。

 

また、平たいパン(ホブス)もよく食べられていて、スープやディップをすくって食べるのが定番のスタイル。

 

中東とつながりが深い地域だからこそ、アラブ系の食文化との融合も見られるのが特徴です。

 

中央アフリカ|カサバ(キャッサバ)料理が主役

コンゴ民主共和国や中央アフリカ共和国など中央アフリカの主食は、なんといってもキャッサバ(タピオカの原料)

 

すりおろして発酵させたものを蒸したり、乾燥させた粉で「チクワンガ」や「フフ」を作ったりと、加工のバリエーションがめちゃくちゃ多いんです。

 

キャッサバ葉も煮込んで食べるので、まさに捨てるところがないエコな主食

 

アフリカの主食って、「何を食べるか」だけじゃなくて、「どうやって食べるか」「誰と一緒に食べるか」までがセットなんです。手で食べること、みんなで囲むこと、その土地の恵みを活かすこと――そこに生き方や文化がしっかり刻まれてるんですね。