
「ダイヤモンド」と聞くと、まず頭に浮かぶのはキラキラした宝石。でもその原石――そう、まさにその“ダイヤのもと”が、アフリカの大地から掘り出されているってご存じでしたか?
実はアフリカは、世界でも屈指のダイヤモンドの産地。しかも、国によって採掘の方法も、質も、ダイヤの意味もぜんぜん違うんです。
ここでは、そんなアフリカの主なダイヤモンド産出国を紹介しながら、それぞれの国の特色を見ていきましょう!
アフリカでダイヤといえば、まずボツワナの名前は外せません。なんとこの国、産出量・品質・輸出額すべてにおいて世界トップクラス。
ダイヤの産出は1970年代から本格化し、現在は政府と世界最大のダイヤ企業「デビアス」との共同出資会社によって管理されています。
ボツワナがすごいのは、ただ採るだけじゃなくて、ダイヤによる利益を国民の教育や医療にきちんと還元しているところ。「資源があっても国は豊かにならない」という“資源の呪い”を見事に回避した数少ない例なんです。
コンゴ民主共和国も、世界有数のダイヤ産出国。特に工業用のダイヤ(硬度が高いけど宝石には向かないタイプ)の生産量では世界トップクラスです。
ただし、問題も多く、非正規の小規模採掘が多いことや、紛争ダイヤモンド(いわゆる“ブラッドダイヤモンド”)として問題視されてきた歴史があります。
現在はキンバリープロセスと呼ばれる国際的な規制のもとで、合法的な流通ルートの整備が進められていますが、現場の労働環境や児童労働といった課題も依然残っています。
19世紀後半、「キンバリー鉱山」の発見によって世界的なダイヤモンドラッシュが巻き起こった南アフリカ。ここがまさにダイヤモンド採掘の歴史的原点のひとつなんです。
かつての南アフリカは、ダイヤと金で成り立つ鉱山経済国家と言ってもいいくらい。
現在は産出量で見るとやや落ち着いていますが、品質の高い原石が今も採れますし、カットや研磨などの産業基盤も整っている国です。
アンゴラは近年、急速にダイヤモンド産業を拡大している国のひとつ。内戦が終結した2000年代以降、大規模な鉱区の開発が進められ、アフリカ第2〜3位の産出国に浮上しています。
特に「カトカ・キンバライト鉱山」などの埋蔵量は世界最大級とも言われ、今後も産出が期待されている地域。
政府は透明性のある採掘・輸出システムの構築にも取り組んでいて、「ダイヤ=開発資金源」としての期待が大きくなっています。
かつて“ブラッドダイヤモンド”の代名詞とされたシエラレオネ。1990年代の内戦では、反政府勢力がダイヤの密輸で武器を買い、戦争を長引かせた過去があります。
でも今は、国際監視機関と連携しながら合法的なダイヤ採掘が進められていて、地域経済を支える希望の産業へと変わろうとしているんです。
また近年では“世界最大級のダイヤ発見”も話題になり、資源国としてのポテンシャルも再評価されつつあります。
アフリカの大地が生み出すダイヤモンドは、美しさの裏にさまざまな物語を秘めています。誇りと希望の象徴であると同時に、過去の痛みや課題とも向き合う存在。だからこそ、アフリカのダイヤは“ただの宝石”じゃないんですね。