アフリカ民族衣装の種類と特徴|女性編

アフリカ大陸といえば、雄大な自然や多様な文化で知られていますが、その中でもひときわ目を引くのが「民族衣装」。特に女性の衣装は、色使いが鮮やかでデザインも個性的、地域ごとにぜんぜん違うんです。

 

「この布どうやって巻いてるの!?」「髪型とお揃いの布がオシャレすぎ!」なんてびっくりすることもしばしば。でも、見た目のインパクトだけじゃありません。それぞれの衣装には、ちゃんと意味や歴史があって、宗教的な背景やその土地の自然環境とも深くつながっているんです。

 

ここでは、アフリカ各地の代表的な女性の民族衣装をいくつかピックアップして、その特徴や意味、そして使われている布や模様についても紹介していきます。

 

 

西アフリカの女性たちがまとう、華やかで力強い布の文化

西アフリカは、布を使った衣装がとにかく豊富な地域です。特にナイジェリアやガーナなどでは、色とりどりの布地が日常にもお祝いごとにも大活躍。見た目は派手だけど、ちゃんと意味があるデザインなんですよ。

 

ナイジェリアのゲレとブバ

伝統的なブラウス「ブバ」とヘッドタイ「ゲレ」を着用しているナイジェリアの女性

出典:Gregory AkinlotanによるPixabayからの画像

 

ナイジェリアでは、頭に巻く「ゲレ」と呼ばれる大きな布がとっても特徴的。お祭りや結婚式では、このゲレを高く巻き上げてドレスとコーディネートするのが定番スタイルです。そして女性用の「ブバ」(ブラウスのような衣装)も人気で、ゆったりしたシルエットに金や銀の刺繍が入っていたりして、とってもゴージャスなんですよ。

 

ガーナのカンテ布とスリット&カバー

ケンテ布とビーズを身に着けたガーナの女性たち

伝統的なケンテ布とビーズのアクセサリーを身に着けているガーナの女性

出典: Photo by Pambelle12 / CC BY-SA 4.0より

 

ガーナの伝統布「ケンテ(Kente)」は、織り模様が独特で、1枚1枚にちゃんと名前と意味があります。たとえば「エヘネマ(王の布)」なんて柄は、王族だけが着ていた由緒正しき模様。女性たちはこの布で「スリット&カバー」という上下別れたセットアップのような衣装を仕立てて、式典なんかで着ることが多いです。

 

 

東アフリカの布文化は軽やかで実用的、でもめっちゃオシャレ

東アフリカでは、布を巻きつけて着るスタイルが中心。見た目はシンプルだけど、実は柄や色に強い意味が込められていることも多くて、日常からお祝い事まで幅広く使われているんです。海に近い文化圏らしく、どこか涼しげで軽やかな雰囲気があるのも特徴です。

 

タンザニアやケニアのカンガ

タンザニア・テンゲル市場で販売されるカンガとキテンゲの布地

タンザニア・アルーシャ近郊のテンゲル市場で販売されるカンガとキテンゲの布地。

出典: Photo by Fanny Schertzer / CC BY-SA 3.0より

 

「カンガ」は、タンザニアケニアでよく見かける長方形のプリント布。実はこのカンガ、ただの布じゃなくて「ことわざ入り」なんです!一枚一枚にスワヒリ語のメッセージが書かれていて、それを読むのもまた楽しみのひとつ。腰に巻いたり、頭にかぶったり、赤ちゃんを背負ったり、用途もほんとに多彩です。

 

エチオピアのシフとティバブ

エチオピアの伝統的な衣装を着た人物

エチオピアの伝統的な衣装「ハベシャ・ケミス」を着用した人物。白い綿布「シフ」に色鮮やかな刺繍「ティバブ」が施されている。

出典: Photo by HagosBeyene / CC BY-SA 4.0より

 

エチオピアでは、白い綿の布「シフ」が伝統衣装の定番。清潔感のある白に、織り込まれた「ティバブ」というカラフルな模様がアクセントになっています。宗教的な場で着られることも多く、女性はスカートやワンピースにこのシフを羽織って、頭にもかぶるのが一般的です。

 

南部アフリカの民族衣装は、ビーズとレザーで個性を演出

南部アフリカになると、布よりもビーズや皮革を使った装飾が多く見られます。特にザール族やンデベレ族の衣装は、見た瞬間に「アートか!」ってツッコミたくなるような華やかさ。儀式や人生の節目に使われることも多く、意味やルールがしっかりしているのも特徴です。

 

ズールー族のビーズ装飾と「イズィコタ」

リードダンスでイズィコタを着用したズールー族の女性たち

伝統的な民族衣装「イズィコタ」を着用するズールー族の女性

出典: Photo by Steve Evans / CC BY 2.0より

 

南アフリカのズールー族では、女性たちが着る「イズィコタ」という衣装が特徴的。色とりどりのビーズで作られた胸当てやスカートは、年齢や婚姻状況を示すサインにもなっています。儀式のときは、これに加えて羽飾りや腕輪も合わせて、かなり豪華な姿になります。

 

ンデベレ族のネックリングと肩布

伝統的なネックリングを着用したンデベレ族の女性たち

南アフリカのムプマランガ州ボツヒベロ地域に住む南部ンデベレ族の女性たち。伝統的なネックリングを含む民族衣装を身に着けている。

出典: Photo by Hein Waschefort / CC BY-SA 3.0より

 

ンデベレ族の女性たちは、首に巻いたネックリングがとっても印象的です。これは装飾というだけでなく、家族の誇りや女性としてのステータスを表すものなんですね。衣装は、鮮やかな幾何学模様が描かれた布を肩からまとい、ビーズのベルトやヘッドバンドを合わせるのが伝統的なスタイルです。

 

ここまで見てきたように、アフリカ各地の民族衣装は、見た目の美しさだけじゃなくて、それぞれの土地の歴史、宗教、社会のルールがぎゅっと詰まった「文化のかたまり」みたいな存在なんです。
そして何より、その一枚の布や一粒のビーズに、自分のアイデンティティや誇りを表しているっていうのが素敵ですよね。洋服とはちょっと違う、“語る服”の世界、ぜひもっと知ってみてください。