アフリカ建築様式の種類とその特徴|家の材料は木造?石造?

アフリカの建物」って聞いて、どんなイメージが思い浮かびますか?土でできた丸い家?それとも、石を積んだ古い遺跡?――もしかすると、あまりピンと来ないかもしれませんね。

 

でも実はアフリカには、自然の素材を活かした伝統的な家から、王国の象徴のような建築、宗教的なモスクまで、びっくりするほど多様な建築文化があるんです。

 

今回はそんなアフリカの建築様式を地域ごとに紹介しながら、「どんな材料で作られているの?」「どんな工夫があるの?」という疑問にもお答えしていきますね!

 

 

建築様式って、なにで決まる?

建築様式っていうのは、家や建物のかたち・材料・作り方のこと。それがどんな気候の土地に建てられていて、どんな人がどんな目的で使っているかで、ぜんぜん違ってくるんです。

 

アフリカ大陸は広くて、砂漠もあれば密林もあるし、高原も海沿いもありますだからこそ、それぞれの環境にぴったり合った家の作り方が発展してきたんですね。

 

ここからは地域ごとに、アフリカの建築の特徴を見ていきましょう!

 

アフリカ各地の伝統建築

まずは、自然素材を使った伝統的な建築に注目してみましょう。「木造?石造?」というよりも、その土地にあるものを使って、どう工夫して快適に暮らすかがポイントなんです。

 

北アフリカ:石と土の“迷路都市”

モロッコ・フェズ旧市街。迷路のように入り組んだ石造りの街並みが広がる

出典:Photo by Emily231 / CC BY-SA 4.0より

 

北アフリカでは、石や焼きレンガ、日干しレンガ(アドベ)がよく使われます。特にモロッコのフェズやチュニジアの旧市街では、迷路のように入り組んだ石造りの街並みが特徴。
さらに、サハラ砂漠のオアシス都市では、暑さを防ぐために厚い壁や小さな窓を取り入れた家が多いんですよ。

 

西アフリカ:土と木のモスク建築

マリ・ジェンネの大モスク。日干しレンガと泥で築かれた世界最大級の土の建築

出典:Image by U.S. Department of Agriculture / Public domainより

 

西アフリカといえば、有名なのが「マリ・ジェンネの大モスク」。これは日干しレンガと土(泥)を使って作られた世界最大級の土の建築です。
この地域では、雨が少なく乾燥しているので、土壁でも崩れにくくて長持ちするんですね。雨季にはみんなでモスクの塗り直しをするのが、町のイベントになっていることも。

 

東アフリカ:高床式やサンゴ石の家

ソマリア・ブラバのスワヒリ文化圏に見られる白い家々。サンゴ石や石灰岩を使用した伝統的な建築様式が特徴

出典:Photo by AMISOM Public Information / CC0 1.0より

 

東アフリカ沿岸部、特にスワヒリ文化圏では、サンゴ石や貝殻石灰岩を使った家が伝統的です。海辺の素材を活かした、風通しのいい白い家が特徴です。
また、内陸部では木と草を組み合わせた高床式の住居も多く、害虫や湿気を防ぐ工夫がされています。

 

中部アフリカ:森林とともに暮らす家

中央アフリカ共和国の熱帯雨林に点在する村々。自然素材を用いた通気性の良い住居が見られる

出典:Photo by Brice Blondel for HDPTCAR / CC BY 2.0より

 

この地域は熱帯雨林が広がっているため、竹やヤシの葉、木の樹皮などが建材として使われています。壁や屋根も自然素材で通気性よく仕上げられていて、暑いジャングルの中でも風が通るようになっているんです。
また、材料は森から必要なぶんだけ調達して、自然に還る住まいとして作られていることが多いんですよ。

 

南部アフリカ:丸い家と石の遺跡

伝統的な円形家屋が点在するレソトの山村

出典:Herbert BieserによるPixabayからの画像

 

南部アフリカでは、伝統的な円形家屋(ラウンドハット)がよく見られます。壁は土と牛糞を混ぜた素材、屋根は草葺きで、涼しくて居心地のいい構造です。

 

土+牛糞の壁材の効果
1. 断熱効果が高い

この素材は熱を通しにくいため、暑い日でも室内はひんやり、寒い日でもあたたかさを保ちやすいんです。アフリカの寒暖差の激しい地域にはぴったり!

 

2. 防虫・殺菌効果

牛糞には天然の防虫・抗菌成分が含まれており、ハエや蚊などの害虫を寄せつけにくくします。また、壁の表面に塗るとにおいも乾燥とともにほとんど消えるため、衛生的に保つ効果も。

 

3. ひび割れに強く、補修が簡単

乾燥した地域では壁にひびが入りやすいのですが、牛糞を混ぜることで粘り気が増して丈夫になり、割れにくくなるんです。もし壊れても、同じ材料でさっと修復できるのも利点。

 

4. 環境にやさしくて安価

材料は現地で手に入る自然素材ばかりなので、コストがかからず、環境にもやさしいというメリットがあります。サステナブルな建築の代表例ですね。

 

そして南部でもうひとつ有名なのが、ジンバブエ「グレート・ジンバブエ遺跡」。これはモルタルなしで石を積み上げた城壁で、南部アフリカの高度な建築技術の証なんです。

 

グレート・ジンバブエ遺跡の空中写真

ジンバブエ南東部に位置する「グレート・ジンバブエ遺跡」

出典: Photo by Janice Bell / CC BY-SA 4.0より

 

 

アフリカ建築の“すごいところ”

さて、ここまでいろんな建築様式を見てきましたが、「これ、どうやって作ったの!?」と驚くような工夫がたくさんありましたよね。ここでは、アフリカ建築の中でも特に驚きと工夫がつまったポイントをいくつか紹介します!

 

自然を活かした“クーラーいらず”の家

暑い地域が多いアフリカですが、実は建物に風の通り道や断熱性を持たせて、エアコンがなくても涼しく過ごせる工夫がされているんです。厚い壁、日陰の中庭、小さな窓などがその一例です。

 

「みんなで建てて、みんなで守る」文化

伝統的な家は一人の大工さんじゃなくて、村の人たちみんなで建てることが多いです。雨季前に壁を塗りなおしたり、壊れた屋根を張り替えたり――家を“育てていく”という感覚なんですね。

 

環境にもやさしい!サステナブル建築

自然素材を使った建築は、壊れたら土に還るという、まさに地球にやさしい家づくり。最近では、こうした建築様式がサステナブル(持続可能)な建築モデルとして、世界でも注目されているんですよ。

 

アフリカの建築って、ただの「古い家」じゃなくて、自然とともに暮らす知恵のかたまりなんですね。 そこには「暑さをどうしのぐか」「どうやってみんなで住みやすくするか」っていう、暮らしに向き合うリアルな工夫がたくさん詰まってます。未来の建築にもヒントがいっぱいかもしれませんね。