「アフリカではゴキブリを食べる」は誤解

「アフリカではゴキブリを食べるってマジ!?」

 

――この話、ネットや都市伝説っぽく語られることもあるんですが、基本的には誤解が多い話です。実際には、アフリカの多くの地域でゴキブリを“食材”として食べる文化はほとんどありません

 

ただし、「昆虫食」という文脈で見ると、ちょっと違った話が見えてくるんですよ。

 

ここではこのテーマについて、どこまでが事実で、どこからが誤解なのか、そしてアフリカと昆虫食のリアルを整理してみます。

 

 

まず結論:アフリカでゴキブリを日常的に食べる文化はない

アフリカは確かに昆虫を食べる文化が根づいている地域ですが、そこにゴキブリはほぼ含まれません

 

というのも、アフリカでも多くの地域で、ゴキブリは病原菌を媒介する衛生的に好ましくない存在とされていて、食用として適していないと考えられているからです。

 

つまり、「ゴキブリを食べるのがアフリカの文化」というのは事実ではありません。これはステレオタイプや誤解、センセーショナルな噂が独り歩きしているパターンです。

 

じゃあ何の昆虫なら食べてるの?

一方で、アフリカの多くの地域では、栄養価が高く、安全な昆虫が伝統的に食べられています。特に有名なのがこちら:

 

イモムシ

ジンバブエ、ザンビア、南アフリカなどでよく食べられ、タンパク質や鉄分が豊富。

 

バッタやコオロギ

ウガンダやケニアなど東アフリカの市場で売られており、炒めたり揚げたりしてスナック感覚で食べられる。

 

シロアリ

雨季の時期に大量発生し、ローストや干物にして食べる。ナッツのような風味で人気。

 

これらは「食文化としての昆虫食」であって、健康・栄養・持続可能性の観点からも再評価されているんです。

 

 

なぜ「ゴキブリを食べる」という噂が出るのか?

この手の話が出てくる背景には、いくつかの原因が考えられます:

 

  • 誤った翻訳やセンセーショナルなメディア報道(例:「昆虫を食べる」→「なんでも食べる」に誤解)
  • エキゾチックな食文化に対する偏見(「西洋と違う=変わってる=野蛮」という思考)
  • 一部の研究や展示での事例紹介(科学的に飼育されたゴキブリを栄養源にする実験がニュースになりがち)

 

たしかに、実験的に食用ゴキブリを育てているケース(主に中国やタイ)もありますが、それはあくまで衛生管理された食用種。アフリカで路上にいるようなゴキブリを食べる、というのはほぼ都市伝説レベルです。

 

アフリカの「食べる昆虫文化」は実は進んでる

むしろアフリカでは、昆虫を持続可能なタンパク源として見直す動きも出てきています。たとえば:

 

  • 国連FAO(食糧農業機関)も、昆虫食を「将来の食糧問題を解決するカギ」として推奨。
  • ウガンダやケニアでは、コオロギを養殖して栄養補助食品や家畜飼料として商品化。
  • ナイジェリアやタンザニアでも、昆虫を活用した起業や女性の収入源として注目。

 

だからこそ、「昆虫=野蛮」なんて偏見じゃなく、知恵や工夫、未来の可能性を秘めた食文化として見ていく必要があるんです。

 

アフリカで「ゴキブリを食べる」は、ほぼ都市伝説。実際には、選ばれた安全な昆虫を、伝統と知恵の中で食べているんです。食べ物の多様性を知るって、文化を尊重する第一歩ですよね。