アフリカには何カ国あるの?最新の国数と国境の成り立ちをやさしく解説

「アフリカって何カ国あるの?」と聞かれたら、パッと答えられますか?意外と知ってるようで知らないこの数字、実は54カ国が公式な数としてよく使われています。でも、ちょっと注意が必要なのは、「地域の捉え方」「国連加盟の有無」「事実上の国家」などの視点で微妙に数え方が変わることもあるという点なんです。さらに、その国境がどうやって決まったのかをたどると、アフリカの植民地時代と独立運動の歴史に深く関わっていることがわかります。

 

 

アフリカの国の数は「54カ国」! でも例外も…

現在、国際的に広く認識されているアフリカの国の数は54カ国です。これは国連加盟国の数とほぼ一致しています。

 

ただし、以下のような微妙なケースもあるんです:

 

  • 西サハラ(サハラ・アラブ民主共和国):アフリカ連合には加盟していますが、モロッコとの領有権問題が続いていて、国連では国家として承認されていません。
  • ソマリランド:1991年にソマリアから独立を宣言した地域で、独自の政府・通貨・治安体制を持っていますが、国際的には未承認のままです。

 

なので、アフリカの国数は「54〜56カ国」と表現されることもあるんですね。ちなみに、国連加盟国の中で「アフリカに領土を持つ国」はこの54カ国に加え、フランスやスペインの海外領土(カナリア諸島など)も関係してきます。

 

 

国境の成り立ち

線を引いたのはアフリカ人じゃなかった

今アフリカにある直線的な国境線――あれって不自然にまっすぐすぎると思いませんか?実はあれ、アフリカの人たちが決めたわけじゃないんです。

 

1884〜85年の「ベルリン会議」というヨーロッパ列強の会議で、アフリカ大陸の分割が勝手に決められたのがきっかけ。イギリス、フランス、ドイツ、ベルギー、ポルトガルなどが、地図上で線を引いて「ここからここはうちの領土ね」と取り決めてしまいました。

 

その結果、民族、言語、文化を無視した国境線ができあがり、今でもアフリカ各国に多民族国家や内戦の火種としてその影響が残っているんです。

 

国境がもたらした問題とは?

こうした“外から決められた国境”が原因で、今も以下のような問題が続いています。

 

  • 民族が分断された:たとえばトゥアレグ族はマリ、ニジェール、アルジェリアにまたがって暮らしていて、国を越えて同じ民族が存在するケースが多い。
  • 民族同士の対立が激化:同じ国の中に敵対関係にある民族が閉じ込められ、政治や資源配分をめぐる争いに。
  • 国境が曖昧な地域もある:エチオピアとエリトリアのように、国境の線引きを巡って戦争になったケースも。

 

こういった背景から、アフリカ連合(AU)は原則として植民地時代に定められた国境をそのまま維持する「ウチの国の線はいじらないルール」を採用しているんです。これは国境の再編を巡る争いを避けるための現実的な対応とも言えます。

 

じゃあこれから国の数が変わる可能性は?

一応、あります。ソマリランドの正式独立承認や、西サハラの国際的な地位が変われば、アフリカの国数も増えるかもしれません。また、内部での自治や連邦化の流れが進めば、国の構成そのものが再編される可能性もゼロではありません。

 

でも今のところ、大きな再編の動きはあまり現実的ではないのが現状です。むしろ大切なのは、今ある国境の中でどうやって民族や地域が共存できるかという課題にどう向き合うか、という点に移りつつありますね。

 

アフリカには公式に54カ国の国家があり、その境界線の多くは植民地時代に外から引かれた“人工の線”。だからこそ今、アフリカは国という枠を越えて、どう共に生きるかという次のステージに進もうとしているんです。