
「アフリカでポルトガル語!?」って、ちょっと意外に思うかもしれませんよね。
でも実は、アフリカ大陸にはポルトガル語を公用語としている国が6カ国あるんです。そしてその背景には、大航海時代から続く歴史のつながりがしっかりあるんですよ。
ここでは、そんな「アフリカのポルトガル語圏」に注目して、どの国が話してるの?なぜ広まったの?今どうなってるの?をまるっと解説していきます。
アフリカにポルトガル語が広まった大きな理由は、15〜19世紀にかけてのポルトガルによる植民地支配です。ポルトガルはヨーロッパの中でもいち早く大航海に乗り出した国で、アフリカの沿岸部に港を築いたり、貿易ルートを支配したりしていました。
中でも奴隷貿易は大きな役割を果たし、西アフリカから南部アフリカまで多くの地域にポルトガルの影響が及んだんです。そして植民地時代には教育や行政、法律などがポルトガル語で行われるようになり、独立後もそのまま公用語として使い続ける国が多くなりました。
現在、ポルトガル語を公用語としているアフリカの国は以下の6カ国です。
これらの国々は、共通してポルトガルの旧植民地だったという歴史を持っていて、今でも文化や外交でポルトガルと強いつながりを持ち続けています。
では、それぞれの国でポルトガル語がどのように使われているのか、もう少し詳しく見てみましょう。
ポルトガル語話者の数がアフリカで最も多い国。人口の約7割以上がポルトガル語を第一言語または日常語として使用。首都ルアンダでは、若者の間でヒップホップやラップがポルトガル語で展開されるなど、都市文化の中心でもある。
こちらもポルトガル語が政府や教育の言語としてしっかり機能。ただし、農村部では現地語(ショナ語やマクア語など)が優勢で、ポルトガル語が「都市部の言葉」になっている面もある。
ポルトガル語と並んでクレオール語(カーボベルデ・クレオール)が日常語として使われている。ほとんどの人がバイリンガルで、音楽や詩の世界ではクレオール語の使用が主流になっているのも特徴。
都市部ではポルトガル語が通じるけれど、クレオール語(ギニアビサウ・クリオウロ)が広く使われている。教育ではポルトガル語が基本だけど、現地語との距離感はまだ大きい。
人口は少ないながらも、公的にも私的にもポルトガル語が広く浸透している国のひとつ。歌や童話にもポルトガル語がよく登場し、ポルトガルとの文化的つながりが色濃く残る。
もともとはスペイン語が公用語の国。2010年にポルトガル語が追加され、ポルトガル語圏共同体(CPLP)への参加を目指すための外交戦略とも言われている。実際の使用率はまだ低い。
アフリカのポルトガル語圏の国々は、文化・経済・外交の連携でも緊密な関係を築いています。例えば、6カ国はポルトガル本国と共に「ポルトガル語諸国共同体(CPLP)」を結成し、貿易や教育、言語教育の交流を活発に行っています。
また、共通の言語を通じて音楽や映画のコラボも盛んで、アンゴラのキゾンバやモザンビークのヒップホップが、ポルトガルやブラジルでも人気を集めているんです。
ポルトガル語は、ただの“昔から使われている言語”じゃありません。アフリカにおいては、歴史・教育・アイデンティティを形づくる道具になっていて、他の国との連携や自己表現の手段にもなっているんです。
もちろん課題もあって、ポルトガル語と現地語のバランス、教育格差、都市と農村の言語の乖離など、解決すべき点は多いです。でもその一方で、ポルトガル語を通じて生まれる新しい文化もどんどん育っています。
アフリカのポルトガル語圏は、植民地の歴史を超えて、「言語がつなぐ未来」を目指して動き出しています。一つの言葉が、離れた国々の人と人をつなぎ、文化を共有する。そんなダイナミックなつながりが、今も生きているんですね。