
アフリカっていうと、砂漠とかサバンナとか、なんとなく「陸のイメージ」が強くありませんか?でも実は、アフリカには海もあって、川もあって、湖もあって、それぞれの場所でたくさんの魚がとれるんです。ここではそんなアフリカの水辺の恵みについて、漁業の現状や特徴を見ていきましょう!
アフリカの漁業は、大きくわけて海洋漁業(海)・内水面漁業(川や湖)の2種類に分けられます。 海では主に西アフリカ〜南部アフリカの大西洋沿岸が豊かな漁場として知られていて、川や湖ではナイル川やヴィクトリア湖、タンガニーカ湖などが中心です。
特にアフリカは内陸国が多いので、川や湖の漁業=内水面漁業がとても大事な産業になっているんですよ。
FAO(国連食糧農業機関)のデータによれば、アフリカ全体で約1,200万人が漁業・水産関連の仕事に関わっているとされています。 これは漁師さんだけじゃなくて、魚を運ぶ人、干して保存する人、市場で売る人なども含めた数。地域経済の土台にもなってるんですね。
アフリカの川や湖では、網や釣り針のほかに、カヌーを使った漁やわな・石囲い漁など、地域ごとに独自の漁法も使われています。 こうしたやり方は持続可能で環境に優しいという点でも注目されています。
モーリタニアやセネガルの沖合には栄養分たっぷりの寒流(カナリア海流)が流れ込んでいて、ここは世界でも有数の漁場のひとつ。
イワシやサバ、カタクチイワシなどが大量にとれるんです。
アフリカ最大の湖・ヴィクトリア湖も漁業が盛ん。でもここでは、外来種のナイルパーチが在来魚を食べつくして生態系が乱れたという環境問題も起きています。 たくさんとれても、それが自然とのバランスを壊すような形だと、長く続けるのがむずかしいんですね。
アフリカ最長のナイル川では、ナイルパーチやティラピアといった淡水魚がとれます。ナイルパーチはとくに大きくて、体長2メートル級になることもあるんですよ!
せっかく魚がとれても、保存や輸送の設備が整っていないために、腐ってしまって出荷できないことも。 とくに内陸の村では、都市まで運ぶのに時間がかかってしまうんです。
欧州やアジアの漁業大国が、許可を得てアフリカ沖で大量に漁をしていることが問題になっています。 現地の人たちがとれる魚が減ったり、海の資源が減ったりしてしまうことも…。海洋資源の管理がとっても重要なんですね。
外資系の大型船に漁業権を売ってしまったり、地元の漁師さんとの利害がぶつかってしまったりといった問題もあります。 アフリカ各国ではいま、持続可能な漁業と地域の自立を両立するための法制度作りが進められているところです。
アフリカの漁業って、あまりイメージにないかもしれませんが、じつは多くの人の生活や食を支える大切な産業なんです。
海の魚も、川や湖の魚も、それぞれに特徴があって、環境問題とも深く関わっています。
これからのアフリカの発展を考えるとき、水辺の資源とどう付き合うかは、すごく重要なテーマになるんですね。