
「アフリカの王国」って聞くと、なんだか昔の物語みたいに感じちゃいませんか?でも実は、今のアフリカにも王国の名残や制度がしっかり残っている国があるんです。中には、現代国家の中で王が実際に政治や文化に関わっているケースもあるんですよ。ここでは、そんな「今も残るアフリカの王国」から注目の3つをピックアップして、その歴史と今の姿をわかりやすく紹介します。
エスワティニの国旗
盾と槍は防衛を、青は平和、赤は過去の戦い、黄は資源の豊かさを象徴している
エスワティニの場所
南部アフリカに位置し、南アフリカとモザンビークに囲まれた内陸国
まず紹介したいのが、エスワティニ。以前は「スワジランド」と呼ばれていましたが、2018年に正式に「エスワティニ王国」へと改称されました。これは、植民地時代の名残を払拭するための象徴的な一歩だったんです。
この国は、国王が国家元首かつ実質的な最高権力者という、いわゆる絶対君主制に近い政治体制を取っています。現在の国王はムスワティ3世。なんと十数人の妻と数十人の子どもを持つという話も・・・!
やはり絶対君主制だけあって、言論の自由や政治参加の制限に対しては国内外からの批判も強く、王政と民主主義のバランスが問われている国でもあります。
モロッコの国旗
赤は力と勇気、緑は希望とイスラム、中央の五芒星は五柱の教義と神とのつながりを象徴する
モロッコの場所
北西アフリカに位置し、北は地中海、西は大西洋に面し、東にアルジェリア、南に西サハラと接する
次にご紹介するのは、北アフリカのモロッコ王国。地中海に面し、スペインとも近いこの国は、イスラム文化とヨーロッパの影響が絶妙に混じり合った独特の空気を持っています。
モロッコは立憲君主制を採用していて、王様は「国の象徴」だけじゃなく、実際の政治にも影響力がある存在です。今の国王はムハンマド6世。経済改革やインフラ整備に積極的で、「近代化の王」とも呼ばれているんです。
さらに王は「アミール・アル・ムウミニーン(信者の長)」という宗教的な肩書きも持っていて、イスラム法と国政の橋渡し役も担っています。つまり、モロッコでは宗教・政治・文化の中心に“王”がいるというわけですね。
レソトの国旗
青は空と雨、白は平和、緑は土地、中央のバソト帽は文化と独立の誇りを象徴している
レソトの場所
南部アフリカに位置し、南アフリカ共和国の国土内に完全に囲まれた内陸国
そしてもうひとつ忘れてはいけないのが、南部アフリカの山岳国家・レソト王国です。レソトは、南アフリカに囲まれた国で、世界でも珍しい「全土が1000m以上の標高にある」国なんです。
レソトの政治体制は立憲君主制で、国王(現在はレツィエ3世)は儀礼的な国家元首として位置づけられています。つまり、国の象徴でありながら政治にはあまり関わらないスタイルです。でも、国民の間では伝統的なリーダーとしての尊敬は今も根強く、地域社会の統合や伝統行事での存在感は大きいです。
実は、ほかのアフリカ諸国にも「伝統的な首長」「部族の王」はたくさん存在しています。たとえばナイジェリアやガーナ、ウガンダなどでは、国家の枠とは別に、地域コミュニティごとに“王”がいるというケースが多いんです。
こうした伝統的権威者は、政治というよりは文化・宗教・仲裁役としての機能が強くて、地域の安定やアイデンティティ形成に大きく貢献しています。つまり、王様=過去のものではなく、今も生きた制度としてアフリカ各地に根づいているんです。
アフリカには、今も王国という形で生き続ける伝統があります。それは単なる“昔の名残”ではなく、今を生きる人々の価値観や誇りとも深く結びついているんです。王様がいる国を知ることで、アフリカの「今」と「昔」の両方がもっと身近に感じられるかもしれませんね。