アフリカがモノカルチャー経済になった理由とは?

「アフリカって、石油とかダイヤとか、ひとつの資源にすごく頼ってる国が多いよね?」――そう思ったこと、ありませんか?それって実は、偶然じゃなくて歴史的な背景が深く関わってるんです。ここでは、アフリカの多くの国が「モノカルチャー経済(単一産業依存)」になった理由を、過去と今を行き来しながら、やさしくひもといてみましょう!

 

 

そもそもモノカルチャー経済ってなに?

ひとつの産業に頼りきりな経済

モノカルチャー経済とは、石油やダイヤモンド、カカオ、綿花など特定の資源や作物だけに経済が依存している状態のこと。 収入の大半をたった1〜2種類の輸出品に頼っている国も少なくありません。

 

「多様な産業がない」ってどういうこと?

たとえば、石油がたくさん採れる国では、他の農業や製造業があまり育たず、経済が一本足になってしまうことも。 そうなると、資源の価格が下がったときに国全体が大打撃を受けてしまうんです。

 

アフリカがモノカルチャー経済になった歴史的な理由

原因は“植民地支配”にあった

19世紀末から始まった「アフリカ分割」以降、ヨーロッパ列強はアフリカの各地を植民地として支配しました。 その目的はひとつ、自分たちの国に必要な資源や作物を効率よく手に入れるため。そのため、アフリカでは現地の生活に関係ない「輸出用作物」や鉱物資源ばかりが生産されるようになっていったんです。

 

鉄道も道路も「輸出のため」だけに整備

ヨーロッパ諸国が作った鉄道や港は、ほとんどが鉱山やプランテーションと海をつなぐためのもので、国内の人々の移動や流通には向いていませんでした。 つまり、「経済インフラ」もモノカルチャー型だったんですね。

 

独立後もすぐには変えられなかった

1960年代以降、多くのアフリカ諸国が独立を果たしますが、すでに経済の仕組みが「輸出偏重」に固定されていたため、すぐに産業を多様化するのはむずかしかったんです。

 

 

モノカルチャー経済のどこが問題なの?

値段が下がると国全体がピンチに

石油や鉱物のような国際価格が激しく変動する資源に頼っていると、値下がりしたときに国家予算が足りなくなり、教育や医療の支出が削減されてしまうこともあります。

 

失業や貧困の原因にも

産業が限られていると、働ける場所も限られるので、失業率が高くなりやすく、特に若者が仕事を見つけにくい状況に。 都市と地方の格差も広がりやすくなります。

 

資源をめぐる争いも…

石油やダイヤモンドなど「お金になる資源」がある地域では、それをめぐって内戦や武装集団の対立が起きることも。 これを「資源の呪い(resource curse)」とも呼びます。

 

じゃあ、どうすればいいの?

産業をバラエティ豊かにする取り組み

最近では、農業や観光、IT、再生可能エネルギーなど、いろんな産業を育てようという動きが増えています。

 

例えば:

 

  • ルワンダではICT(情報通信)分野に注力
  • ケニアではソーラーパネルの製造
  • ガーナではカカオだけでなくチョコレート製品への加工にも挑戦

 

などの動きがみられていますね。

 

地元の人たちの声を聞くことが大事

経済を多様化するには教育や技術支援、インフラ整備も欠かせません。 そして何より、「この国に合った形で、どう発展していくか」を、現地の人たち自身が決めていけるようにすることがポイントなんです。

 

アフリカの多くの国がモノカルチャー経済になったのは、植民地時代に作られた「輸出第一の仕組み」が残ってしまったから。 今はその名残を乗り越えて、もっと多様な産業を育てようとがんばっている国がたくさんあります。 「モノカルチャー」から「マルチカルチャー」な経済へ――それはアフリカの未来にとって、とても大切なステップなんです。