
アフリカには、豊かな資源をもつ国がたくさんありますが、その中でも石油は特に重要な資源のひとつ。実際、アフリカの経済や国際関係を語るうえで、「石油がある国」と「ない国」では全然状況が変わってくるんです。
ここでは、そんなアフリカの中でも特に石油を多く産出している国TOP5を、最新の情報に基づいてご紹介!それぞれの国がどんな特徴をもっていて、どんな影響を受けているのかもあわせて解説します。
ナイジェリアは文句なしのアフリカNo.1の石油生産国。
ナイジャーデルタ地帯を中心に、日量約130万バレル以上を生産していて、世界の石油輸出国ランキングでも上位にランクインします。
石油はナイジェリアの輸出収入の8割以上を占めるほどで、まさに“石油に頼る経済”。
ただし、そのぶん価格変動の影響をモロに受けるリスクもあります。
また、油田開発による環境破壊や、富の集中をめぐる政治的な不安定、武装勢力の活動なども大きな課題になっています。
アンゴラもアフリカを代表する石油国家で、日量約110〜120万バレルを生産。
特に2000年代以降は中国との関係が深まり、「石油と引き換えにインフラ投資」というかたちで経済成長を遂げてきました。
大規模な油田がオフショア(海上)に多く、技術力のある国際企業の投資も活発。
ただし国内では、石油による富が一部に偏りやすく、貧富の差や失業率の高さも問題になっています。
リビアはアフリカで最も多くの石油埋蔵量(約480億バレル)を持っているとされる国。
クオリティの高い「スイート原油」が特徴で、ヨーロッパへの供給源として長らく重宝されてきました。
ただし、2011年のカダフィ政権崩壊以降は内戦や政治混乱が続いていて、生産量が大きく上下しています。
潜在力はものすごいけど、安定稼働ができないのが今の大きな課題です。
北アフリカの大国アルジェリアは、日量約100万バレルの石油を生産する産油国ですが、それ以上に天然ガスの生産量が世界トップ10に入るという“エネルギー複合国”なんです。
石油と天然ガスの合計で、国家歳入の9割以上を占める超資源依存型経済であり、特にヨーロッパとのエネルギー供給関係がとても深いのが特徴。
エネルギー価格の変動で財政が左右されやすいため、最近では再生可能エネルギーや非資源分野の育成も課題となっています。
エジプトは中東とアフリカの中間に位置し、スエズ運河を通じた輸送の要所としても戦略的に重要な国。
近年では地中海沖で新しい油田・ガス田が相次いで発見されていて、石油・ガスの“再成長国”として注目されています。
日量は約60〜70万バレルほどで、産油量としては他の上位国に比べれば控えめですが、今後のポテンシャルはかなり高いと見られています。
アフリカの石油産出国を見ると、単に「資源がある」だけじゃなく、そこに経済、外交、政治、そして地域の安定が絡んでいるのがわかります。豊かな地下資源をどう活かすか――それは、アフリカの未来を大きく左右するテーマのひとつなんですね。