アフリカにおけるゴリラの生息地は?保護活動が必要な理由

「ゴリラってアフリカにいるんだよね?」って漠然と思っている人、多いと思います。でも実は、アフリカのどこにでもいるわけじゃなくて、限られた熱帯雨林地帯にしかいないんです。そして今、そのゴリラたちが絶滅の危機に瀕していて、本気の保護活動が世界中で行われているんですよ。ここでは、アフリカのゴリラたちの生息地、種類、そして保護が必要な理由をわかりやすく紹介します。

 

 

ゴリラはアフリカの“森に住む巨人”

ゴリラは、アフリカの熱帯雨林にだけ生息する霊長類。分類上はヒトに最も近い動物のひとつで、社会性が高く、群れで行動する特徴を持ちます。見た目は大きくて力強いけど、実は性格はおとなしくて草食中心。繊細な動物なんです。

 

アフリカに生息するゴリラの種類と分布

ゴリラには大きく分けて2種類(それぞれに2亜種)があります。

 

ニシゴリラ(Western Gorilla)

  • ニシローランドゴリラ:最も個体数が多い亜種。コンゴ共和国、ガボン、カメルーンなどの低地熱帯林に生息。
  • クロスリバーゴリラ:ナイジェリアとカメルーンの国境付近に限定的に分布。最も希少なゴリラ。

 

ヒガシゴリラ(Eastern Gorilla)

  • マウンテンゴリラ:ルワンダ、ウガンダ、コンゴ民主共和国の山岳地帯に生息(ヴィルンガ山地など)。
  • ヒガシローランドゴリラ:コンゴ民主共和国の深い森林に分布。

 

それぞれ特定の国立公園や保護区に集中して生息していて、地球上のどこでも見られるわけじゃないんです。まさに「その場所でしか会えない存在」なんですね。

 

 

絶滅危惧の理由:なぜ保護活動が必要なの?

ゴリラが置かれている状況は、はっきり言ってかなり深刻。国際自然保護連合(IUCN)によると、すべてのゴリラは絶滅危惧種に指定されています。つまり、「放っておけばいなくなってしまうかもしれない」ほど、危機的な状況なんです。その理由は、いくつもの問題が絡み合っているからなんですよ。

 

森林伐採

ゴリラの住処である熱帯雨林が、農地への転用や商業目的の伐採によって急速に失われています。 木材は輸出用の商品にもなるため、企業や個人が森に入り込み、生態系を壊しながら開発を進めてしまうんです。 森がなくなれば、ゴリラは食べ物も安全な場所も失い、生存が難しくなります

 

密猟

ゴリラは「ブッシュミート」として食肉にされたり、体の一部が伝統的な薬やお守りとして使われることもあります。 また、赤ちゃんゴリラは違法なペット取引の対象となり、高額で売買されるため、母ゴリラが殺される事件もあります。 いずれも国際法で禁止されている行為ですが、貧困や監視体制の不備から密猟は後を絶ちません

 

感染症

ゴリラは人間と遺伝的に近いため、人間の風邪やインフルエンザで命を落とすこともあります。 観光客や研究者との接触が感染源になることもあり、特にコロナ禍では感染リスクが深刻化しました。 だからこそ、保護区ではゴリラに近づく距離やマスク着用などのルールが設けられているんです。

 

紛争地域との重なり

ゴリラの多くは、コンゴ民主共和国やルワンダなど、政情が不安定な地域に生息しています。 そうした場所では内戦や武装勢力の存在によって、レンジャーの命が危険にさらされることも。 ゴリラだけでなく、それを守る人々の安全すら確保できないのが、今の現実なんです。

 

このように、自然環境・人間の活動・政治不安が複雑に絡み合って、ゴリラの生存が脅かされているんです。

 

どんな保護活動が行われているの?

現在、多くの国際団体や現地のNPOがゴリラの保護に取り組んでいます。その活動は多岐にわたります:

 

  • 国立公園の整備と管理(例:ヴィルンガ国立公園、ボウンド・ドゥ・カンパ国立公園)
  • レンジャーの育成と支援:武装密猟者に対抗できるように訓練
  • エコツーリズムの推進:観光収入を地元経済と保護活動に循環させる仕組み
  • 現地住民との共生モデルの構築:保護=制限ではなく、住民にも利益があるように調整

 

特にルワンダやウガンダでは、マウンテンゴリラ観察ツアーが世界的に有名で、観光資源としての価値も高まっています。

 

保護することの意味って?

ゴリラを守るということは、単に「動物がかわいそうだから」だけじゃありません。それは、

 

  • 生態系のバランスを守る(種子を運ぶなど、森の再生に貢献している)
  • 観光資源として地域の発展にもつながる
  • 人間と他の生命との共存の在り方を問い直す

 

という大きな意味を持っているんです。

 

アフリカのゴリラは、私たち人間とすごく近い存在。でもその命は、今まさに危機に瀕しています。だからこそ、「守る」という選択は未来への責任でもあるんです。