アフリカの「象牙海岸」ってどこの国?名前の由来とは

象牙海岸(Ivory Coast)」って、歴史の授業やニュースで聞いたことがある人も多いと思います。でも、それって実際どこの国のこと?ってなると、意外と知られてないんですよね。

 

答えは――コートジボワール共和国

 

ここではこの「象牙海岸」という名前の意味と由来、そして現代の国との関係を、わかりやすく解説していきます。

 

 

「象牙海岸」=コートジボワールのこと

象牙海岸とは、現在の西アフリカにある国・コートジボワール(フランス語:Cote d’Ivoire)のことです。国名を直訳すると、まさに「象牙の海岸」という意味。

 

ただし、この「象牙海岸」という言い方は歴史的な地名であり、現代の正式名称としては「コートジボワール」表記を国として強く推奨しています。なので国際的にも、日本でも、今は「コートジボワール」という言い方が主流なんですね。

 

なぜ「象牙海岸」と呼ばれたの?

この名前の由来は、16〜19世紀にかけての象牙貿易の拠点だったことにあります。かつてこの地域では、象の牙(アイボリー)が非常に貴重な交易品として扱われ、次のような流れがありました:

 

  • ヨーロッパの商人たちが象牙を大量に輸出(家具、彫刻、ピアノの鍵などに使われた)
  • 現地の象が乱獲され、自然破壊が進行
  • 象牙の需要とともに、奴隷交易も密接に絡んでいた

 

こうした背景の中で、この地域は「Ivory Coast(象牙海岸)」と呼ばれるようになったんです。ちなみに、アフリカ西海岸には他にも「黄金海岸(現・ガーナ)」や「奴隷海岸(現・トーゴ、ベナン、ナイジェリアの一部)」といった呼び名もあって、資源や交易の内容で呼び分けられていたんですね。

 

 

なぜ今は「象牙海岸」と呼ばないの?

1985年、コートジボワール政府は「国名はどの言語でもCote d’Ivoire(コートジボワール)と表記せよ」と宣言しました。つまり、英語で「Ivory Coast」、日本語で「象牙海岸」と訳すのもNGという方針なんです。

 

その理由は:

 

  • 植民地時代の名前から脱却したい
  • 独立国家としての尊厳と統一されたブランドを確立したい
  • 象牙の密猟や環境破壊の負のイメージと距離を置きたい

 

なので今では国際連合をはじめ、多くの国が“Cote d’Ivoire”表記を尊重しています。

 

コートジボワールってどんな国?ざっくり紹介!

地理的には西アフリカのギニア湾沿いにあって、隣国はガーナ、ブルキナファソ、マリなど。首都はヤムスクロ、最大都市はアビジャンで、経済の中心地になっています。

 

特徴的なのは:

 

  • カカオ豆の生産量が世界一
  • 音楽やファッションが西アフリカで大人気
  • 過去には内戦も経験し、和解と復興を進めている最中

 

ヨーロッパとアフリカの関係、植民地の歴史、そして自然と経済――すべてが詰まった一国なんですね。

 

「象牙海岸」という呼び方の背景には、交易、植民地主義、そして自然資源への欲望が詰まっていました。でも今は、「コートジボワール」という名前で、過去と向き合いながら未来をつくろうとしている国なんです。