アフリカに砂漠が多い理由と“ゴミ”で進む緑化プロジェクト

「アフリカって砂漠が多いよね」――これ、なんとなく知ってる人は多いと思います。でも、なぜそんなに砂漠が広がっているのか、改めて考えたことはありますか?そして実は今、その“乾いた大地”に対して、なんと「ゴミ」を使った緑化プロジェクトが動いているっていう、ちょっと意外で面白い話もあるんです。ここでは、アフリカに砂漠が多い理由と、環境再生の新たな取り組みについて見ていきましょう。

 

 

アフリカに砂漠が多いのはなぜ?

まず最初に、アフリカ大陸にはサハラ砂漠、カラハリ砂漠、ナミブ砂漠など、大規模な砂漠地帯がいくつもあります。特にサハラ砂漠は、アメリカ合衆国とほぼ同じ広さで、世界最大の熱帯砂漠として知られています。

 

じゃあ、なぜアフリカにこんなにも砂漠が多いのかというと、大きく分けて3つの理由があります。

 

地理的位置と気候帯

アフリカの北緯・南緯20度付近は亜熱帯高圧帯という空気が沈み込むゾーンに位置していて、雨が降りにくく、乾燥しやすい気候なんです。これは地球全体の気流の仕組みによるもので、「そこにあるから乾く」って感じ。

 

寒流の影響

西アフリカ沖にはカナリア海流、南西部にはベンゲラ海流という冷たい海流が流れていて、これが海の上の空気を冷やす→水蒸気が発生しにくくなる→雨雲ができにくいという連鎖を起こします。

 

人間活動による砂漠化

これは“もともと砂漠じゃなかった場所”が、過剰な農業、放牧、森林伐採などによって劣化していき、「人為的砂漠」になってしまったケース。特にサハラ砂漠の南縁にあたるサヘル地帯では、年々砂漠が南へ拡大しているとも言われています。

 

 

砂漠化に立ち向かう“緑の壁”プロジェクト

そんな中、アフリカでは砂漠化を食い止めて緑を取り戻そうという大規模な計画が進んでいます。その代表が「グレート・グリーン・ウォール」と呼ばれるプロジェクト。

 

これはセネガルからエチオピアまで、アフリカ大陸を横断する緑の帯をつくるというもので、約8000kmにわたって植林や農地改良を行い、サヘル地帯の再生を目指しています。

 

ただ、植林だけでは水や手間がかかりすぎて大変。そんな中で生まれたのが、ちょっとユニークな「ゴミ活用」のアイデアです。

 

“ゴミ”で緑化ってどういうこと?

今注目されているのが、プラスチックや農業廃棄物などのリサイクル素材を活用した緑化技術。具体的には、こんなアプローチが取られています:

 

  • リサイクルプラスチックでつくった植樹ポットを使って、乾燥地でも水分が逃げにくい構造にする
  • 植物性のゴミ(藁やコーヒーかす)を肥料として再利用し、土の保水力を高める
  • 都市ゴミを分別してコンポスト化し、植林地の土壌改良に使う

 

こうした技術は、「廃棄物問題」と「砂漠化」という2つの課題を一気に解決しようとする動きで、環境系NGOや現地住民の協力のもと、実験的に広がってきているんです。

 

未来に向けて:砂漠はもう「終わった土地」じゃない

かつては「もう何もできない」と思われていた砂漠地帯。でも今では、乾いた土地に命を吹き込もうとするプロジェクトが少しずつ形になり始めています。しかもそれが、廃棄物の再利用、地域の雇用、若者の参加といった、他の社会課題の解決にもつながっているんです。

 

アフリカに砂漠が多いのは、地球の自然の仕組み。でもそこに人の知恵と工夫が加わることで、「乾いた大地」は未来を育てる場所になりつつあります。ゴミで森をつくる――そんな逆転の発想、ちょっとワクワクしませんか?