
オリンピックって、世界中の国が集まるスポーツの祭典ですよね。だけど、よく考えてみると──アフリカ大陸で開催されたこと、一度もないって知ってましたか?
ヨーロッパやアジア、南米ですら開催されたのに、アフリカはまだ“オリンピック未経験”。これってちょっと意外じゃないですか?
でも実は、その背景には政治・経済・インフラ・イメージ・地理といった、いろんな事情が絡み合ってるんです。
この記事では、「なぜアフリカでオリンピックが開催されないのか?」という問いに対して、5つの理由から考えてみたいと思います。
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橋の損壊で転倒したトラック(ナイジェリア)
道路や橋梁の老朽化・未整備を物語る一場面で、物流や安全面の脆弱さが大規模な大会運営の足かせとなり、オリンピック開催を難しくしている現状を示す。
出典:『Nigeria, last crossing』-Photo by Jeff Attaway/Wikimedia Commons CC BY 2.0より
オリンピックを開くには、スタジアムや選手村、空港や高速道路、鉄道網まで、超・巨大なインフラ投資が必要になります。
でもアフリカの多くの国々では、まず電気や水道、公共交通といった日常生活のインフラすら十分じゃない地域も多いのが現実です。
「オリンピックよりも、まず人々の暮らしを整えるほうが先」という声が強く、国全体の優先順位として開催が現実的じゃない場合が多いんです。
オリンピックって、開催都市にとっては名誉な一方で、めちゃくちゃお金がかかるイベントでもあります。
過去にはギリシャやブラジルが開催後に深刻な財政危機に陥った例もあって、「開催=経済成長」とは限らないんですよね。
多くのアフリカ諸国は経済的にまだ発展途上で、数千億円レベルの投資を行うのはかなりリスクが高いんです。
国際大会を誘致するには、長期間にわたる計画と安定した政治運営が欠かせません。
でもアフリカの一部の地域では、内戦や政権交代、暴動や汚職など、不安定な要素がまだ存在していて、IOC(国際オリンピック委員会)も慎重にならざるを得ないんです。
「今は平和でも、5年後どうなってるか分からない」──そんな状況では、世界中の選手団や観客を呼び込むのは難しいですよね。
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残念ながら、アフリカには今も「貧困」や「危険」といった固定観念が根強く残っています。
もちろんそれは一面的で偏った見方なんですが、オリンピックのような“世界が注目する舞台”では、イメージ戦略も大きなカギになります。
メディアが「アフリカ開催は大丈夫なの?」と不安を煽るような報道をすれば、スポンサーや観客の足が遠のく可能性もあるわけです。
つまり「イメージ格差」が、開催への壁になっているとも言えるんですね。
アフリカの気候分布(ケッペン区分)
赤道直下の熱帯雨林からサハラの乾燥帯、南北の温帯域と、高温地域が大部分を占めていることがわかる。
出典:『Africa Koppen Map』- Photo by Peel, M. C.; Finlayson, B. L.; McMahon, T. A. / Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0
アフリカは赤道に近い地域が多く、高温・多湿な気候が続くところも多いんです。
競技によっては熱中症のリスクがあったり、開催時期が限られたりして、スケジュール調整が難しくなることも。
また、地理的に他の大陸からアクセスしにくいというハードルもあり、航空網や国境管理の整備も課題になります。
地理と気候の問題は、いわば“自然の壁”。それでも、工夫次第で乗り越えられる可能性は十分あります。
アフリカでオリンピックが開催されない理由には、経済やインフラだけでなく、歴史的な偏見や政治の不安定さなど、いろんな背景があるんですね。でもだからこそ、もしアフリカで初のオリンピックが実現すれば、それはスポーツだけじゃなく、世界の価値観そのものを動かす大きな一歩になるはずです。
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