

世界にはいろんな料理がありますが、「えっ、それ食べるの!?」って思っちゃうような食文化に出会うこと、ありますよね。アフリカにもそうした料理がいろいろあって、日本ではちょっと“ゲテモノ”っぽく見えるかもしれません。
でも実は、どれもちゃんと意味と理由があるんです。栄養価が高かったり、伝統的な薬効があると信じられていたり、そもそも地域の環境に合ったサバイバルの知恵だったり。
この記事では、そんなアフリカのちょっとディープな料理たちを紹介していきます!
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乾燥調理されたモパニワーム
モパニの木に育つガの幼虫を収穫して下処理し、乾燥や加熱で保存性を高めた食材。高たんぱく源として南部アフリカの食文化に根づいている。
出典:『Dried, cooked Mopane worms』-Photo by Mark Marathon/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0
見た目はまさに巨大イモムシ。でも、これがビックリするほど高タンパク&鉄分豊富な“虫のスーパーフード”なんです。
ジンバブエやボツワナなどでは、「モパネ」という木の葉を食べて育つ幼虫を、炒めたり煮たりして普通に食べます。外はカリッ、中はプリッ…慣れるとクセになる食感らしいですよ。
しかも乾燥保存ができて常温でも長持ち。まさに天然の保存食として、昔から重宝されてきたんです。

羊の頭のスープ(ブルキナファソ・ファダ)
アフリカ各地で見られる羊頭料理の一例で、朝食として提供されることもある。調理法や味付けは地域ごとに異なる。
出典:『Sheep's head soup in Fada』-Photo by Ye Shan/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0
ブルキナファソ東部州の州都ファダでは、なんと羊の頭のスープが朝食として親しまれています。一見すると驚きのメニューですが、これが地元ではごく普通の朝の一杯。骨ごとじっくり煮込まれたスープには、コクとうまみがぎゅっと詰まっていて、パンやお粥と一緒に食べるとお腹にも心にも染みるんです。
特に市場周辺の屋台では早朝から行列ができるほどの人気で、地元の人にとっては“元気の出る朝の定番”のような存在。いわば日本でいう味噌汁のような、日常の一部なんですね。旅行で訪れることがあれば、ちょっと勇気を出して試してみるのもアリかも?

揚げられるワニ肉
ステーキや串焼き、フライなど調理法はさまざまで、スパイスで下味を付けて揚げることも多い。
出典:『Crocodile frit』-Photo by Max.kit/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0より
「恐竜の子孫、いただきます!」って感じのワイルドな一品。ワニ肉は見た目がちょっと強面ですが、実は淡白で脂肪が少なく、鶏肉に近い味と言われています。
ウガンダやエチオピア、コンゴなどの一部地域では、普通にスーパーでも売っていたりします。高級レストランのメニューにも並ぶことがあるんですよ。バーベキューにするとジューシーでおいしいそうです。
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バオバブジュース(セネガル)
乾いた果肉を水で溶いてこすジュースで、砂糖やスパイスを加えるほか、家庭では発酵させる作り方もある。西アフリカ各地で冷やして飲まれる日常の一杯。
出典:『Baobab juice - color』-Photo by T.K. Naliaka/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0
これはゲテモノというより珍味系ですが、ちょっとクセあり。 「星の王子さま」に出てくるあのバオバブの木、実は食べられるんです。
その実はパサパサした白い果肉で、レモンのような酸味があり、乾燥させて粉末にしたり、ヨーグルトドリンク風に発酵させたりして飲みます。
西アフリカでは「健康によいスーパーフード」としても注目されていて、整腸作用やビタミンがたっぷり。味は…ちょっと酸っぱくてクセが強いけど、慣れるとハマる人も!

ローストしたシロアリを食べる少年(ジンバブエ)
炒る・茹でるなどで調理したシロアリを皿で食べる様子。保存性が高く高たんぱくな食材として地域の食文化に根づいている。
出典:『A young boy eating cooked termites』-Photo by Cecil Dzwowa/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0
「アリを食べるの!?」と思うかもしれませんが、アフリカの一部地域ではシロアリをカリカリに炒って食べるのはごく普通のこと。
特に雨季の初めには羽アリが大量に飛び立つので、それを捕まえてタンパク源として調理します。おつまみやスナック感覚で食べられていて、味はナッツっぽいんだとか。
しかもアリの巣ごと掘り返して集める様子は、まるで季節の風物詩。日本でいう“山菜採り”みたいな感覚かもしれませんね。
「ゲテモノ」に見えるアフリカ料理の多くは、実はその土地の自然や歴史、暮らしの知恵と深くつながってるんです。驚きながらも、ちょっとずつ“違う世界のあたりまえ”に触れていくと、世界の見え方が変わってくるかもしれませんね。
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