アフリカにある世界三大運河の一つとは?

アフリカにおける有名な運河といえば、アジアとヨーロッパを結ぶスエズ運河が挙げられます。スエズ運河は、全長162.5km、幅160?200mもの大きさで、世界三大運河の一つとして知られています。

 

エジプトのスエズ地峡(アジア・アフリカ両大陸の境界)において、地中海と紅海を結んでおり、アジア⇔ヨーロッパの行き来の為の最短経路となっています。1日何十隻もの運行が行われており、アジアアフリカ双方にとって重要な交易路です。

 

実は紀元前より、地中海と紅海を結ぶ運河の必要性は認識されており、7世紀には一時期掘削されたものの、その後荒廃し砂漠に埋もれてしまったことがわかっています。

 

 

スエズ運河に絡む歴史

フランス人のレセップスによって設計され、1859年に建設工事が開始、1869年に開通しました。この運河の完成により、アフリカからアジア方面への最短の交易路が確保できた他、戦略上も重要な地点となりました。

 

運河完成後、イギリスがスエズ運河株式会社の株式を回収し、エジプト植民地時代はイギリスの支配下にありました。しかし独立を果たしたエジプトが1956年に運河の国有化を宣言し、イギリスは激怒。エジプトへ軍事侵攻を行い戦争が勃発しました。(スエズ戦争)

 

イギリスはスエズ運河を失う

当初はイギリス側が圧倒的に戦況を有利に進めていたものの、アメリカ・ソ連がエジプト側に回ったことで形勢が逆転。大国の圧力によりイギリスは停戦を求める決議を受諾せざる得なくなり、全軍を撤退させました。

 

結局イギリスにとってこの戦争は、スエズ運河を失った上、5億ポンド近い戦費を無駄に消費し、経済的にも大打撃を受けるという惨憺たる結果となってしまいました。