アフリカが貧しい理由の続きです。
アフリカにおける貧困は、人文・社会的要因による貧困も深刻です。そしてこの人文・社会的要因とは、大きく3つに分けることができます。
各要因について詳しく解説していきます。
アフリカは世界で最も人口増加が際立っている地域です。(理由については【アフリカにおける人口増加の原因とは?】にて)しかし上述した通り自然環境要因から農業生産性の向上が伴っていません。増大する食糧需要に伴い、過剰な土地利用が誘発され、砂漠化を促進、そして食糧難という悪循環に陥っています。
中部アフリカ〜南部アフリカの国々はHIVの蔓延にともなう貧困が社会問題となっています。特に南部アフリカでは10人に1人の成人がHIVに感染していると言われており、今後HIVにより国を支える労働力が減少していき、国家として存続することが難しくなるという予測が出る国もあるほどです。HIVは親から子への母子感染もあり、蔓延地域の平均寿命を大きく押し下げています。
ザンビアの平均寿命…1998年50歳⇒2008年45歳
南アフリカの平均寿命…1998年57歳⇒2008年51歳
アフリカがヨーロッパの植民地支配から解放されたのはもうずいぶん昔のことです。しかし植民地支配の影響は、以下のような流れで今のアフリカにおける貧困と大いに関係しています。
1.上置国境の設置
欧州各国はアフリカ進出後、各々の支配域を確定させる為に、既存の民族分布の境界線の上に、人為的に国境線を上書きしてしまいました。
2.民族分断・内戦
その結果、多数の民族が分断・混合されてしまい、現在でも継続する民族対立を要因とした内戦・紛争を誘発しました。(例:ダルフール紛争,ビアフラ戦争など)
3.貧困へ…
内戦国では、豊富な資源を産出して得た金で武器兵器を購入してしまいます。教育機関・医療機関・交通通信網整備などになかなか金が回らず、経済成長が滞る為、貧困に繋がるのです。