
アフリカは資源大国と呼ばれるほど天然資源が豊富な地域ですが、それと反比例するように貧困に苦しんでいます。資源はあるのに食べていけないというのは、笑えない皮肉ですが、これはアフリカの産業構造に原因があります。
アフリカの主要産業は農業や石油や鉱物といった天然資源の輸出です。つまり経済成長のほとんどは、あくまで資源の輸出によるもので、工業や農業の発展によるものではありません。
手に入れるのに高度な技術を要しない資源の輸出に依存してきたので、飛躍的な技術革新も起こらず、他の州に比べ遅れてしまいました。
このように特定の産業にかたよった経済のことをモノカルチャー経済と呼びます。直訳すればmono(単一)のculture(栽培/文化)という意味です。
アフリカ経済というのは作物やら鉱石やらの一次産品(天然資源)の輸出に依存しすぎていて、技術を持って何か(パソコンやら携帯やらの高度な工業製品)を生み出して利益を出す、という形をとっていないんですね。
モノカルチャー経済というのは、ある一つの資源を獲得する為に、一つの技術のみに力を入れていけばいいので、一見すごく効率がよく見えます。実際うまくいっている間は経済状態良好なのです。
しかし、採りすぎで資源が底を尽きたり、環境破壊で資源が得られなくなったり、国際市場で価格が下落したりすると、その資源に依存した国の経済は大打撃を受けてしまいます。
例を挙げれば
こんな感じでモノカルチャー経済はリスクも非常に高いのです。
資源には限りがあり、モノカルチャー経済で国を持たせるのは難しい時代になっています。アフリカ諸国は収入源の多角化を進め、特定資源への依存度を下げる必要があるでしょう。
実際一部の国では金融・不動産業、サービス業、IT産業などに手を伸ばすなど、モノカルチャーからの脱却を図るべく多角化を進めています。