日本がアフリカから輸入してる意外なものとは?

日本のアフリカからの輸入品

日本はアフリカから、鉱物資源やコーヒー、カカオ豆など多様なものを輸入しています。実は宝石やレアメタルなど高付加価値の輸入も増えています。本ページでは、東アフリカや南部アフリカとの貿易関係を理解する上で重要なこのテーマについて、より深く探っていこうと思います。

日本がアフリカから輸入してる意外なものとは?

アフリカと日本──距離こそ遠いけれど、実は輸入というカタチで私たちの暮らしにしっかり結びついているんです。


アフリカと聞くと、コーヒーやカカオなどが思い浮かぶかもしれませんが、じつは他にも「えっ、これもアフリカから来てたの!?」というような意外な品目が、日本に静かに届いています。


ここではそんな“アフリカからの意外な輸入品”を5つご紹介。美、食、ファッション、そして日常の中に潜むアフリカの存在に目を向けてみましょう!



アルガンオイル|美容と健康の“金のしずく”

アルガンの実を割る女性たち(モロッコの協同組合)

アルガンの実を割るモロッコ人女性
手作業で種を取り出してアルガンオイルを搾る準備をする工程で、モロッコの協同組合が支える地域産業の姿。

出典:『Argan Oil Cooperative』-Photo by Catalin Dordea/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0より


モロッコの南西部にしか育たないアルガンの木から採れるオイル──それがアルガンオイルです。


このオイル、古くから現地では肌の保湿、髪のケア、食用油として重宝されてきましたが、最近では日本でも高級化粧品やヘアケア製品に使われるようになって注目度アップ中!


「オーガニック」「天然由来」といったキーワードとも相性が良く、美容系の商品にこだわる方のあいだでじわじわ人気を広げています。


ちなみに収穫や加工は地元の女性たちが中心になって行っていて、フェアトレード支援の一環としても評価されているんですよ。


魚介類|モーリタニア沖の海の恵み


「アフリカから魚?」とちょっと意外に思うかもしれませんが、これがまた大事な輸入品。 特にケニアやモーリタニアの沿岸で獲れるマグロ、タコ、その他の魚介類が、日本に届けられているんです。


冷凍や加工の技術が進んだことで、遠く離れた海からでも鮮度を保ったまま日本の食卓に届くようになりました。


特にタコに関しては、日本で食べられているものの3割がモーリタニアから輸入されているもので、たこ焼きやタコ飯、お寿司など、日本の重要な食文化を支えてくれているんですよ!


切り花|赤道直下のバラが日本の花屋に

ナイバシャ湖畔に広がる巨大温室群(ケニアの切り花産業)

ナイバシャ湖畔・巨大温室群(ケニア)
ケニアの切り花産業の拠点。ヨーロッパ向けのバラなどを育てる大規模温室が湖畔を覆い、輸出型の切り花産業が地域経済を牽引してきた。

出典:『Lake Naivasha, Kenya (ASTER)』-Photo by NASA/METI/AIST/Japan Space Systems, U.S./Japan ASTER Science Team/Wikimedia Commons Public domain


ケニアの標高の高い高原地帯では、花の栽培がとても盛んです。 その中でも特に輸出されているのがバラ


ケニアのバラは花持ちが良く、色も鮮やかで、日本の市場でもフラワーアレンジメントやギフト、ホテル装飾などに重宝されています。


現地では温暖な気候と豊かな土壌のおかげで、年間を通して花が安定して育ちます。しかも、収穫後すぐに空輸で運ばれるので、フレッシュな状態で日本に届くんですね。



ワニ革製品|南アフリカ発、高級革の世界

南アフリカ・ステレンボッシュ近郊のワニ養殖場のナイルワニ

ステレンボッシュ近郊ワニ養殖場のナイルワニ
南アフリカではワニ革用の原皮を供給するために養殖が行われ、観光施設と併設する形もある。革製品の高付加価値輸出につながる産業の現場を示す。

出典:『NileCrocodile』-Photo by Dewet/Wikimedia Commons CC BY-SA 2.0


ちょっとゴージャスなお話ですが、南アフリカから輸入されるワニ革が、日本の高級バッグや財布に使われているってご存じでしたか?


特にナイルワニの革は、しなやかさと美しい模様が特徴で、欧米や日本のハイブランドがこぞって採用。現地ではワニを養殖で管理していて、サステナブルな生産体制も整いつつあります。


つまり、銀座や表参道のショーウィンドウに並ぶあの逸品が、実はアフリカの湿地帯から始まっている──そんなドラマがあるんです。


コーヒー豆|スペシャルティコーヒーの主役

アワサのコーヒー農家の手摘み(エチオピア)

アワサのコーヒー農家の手摘み(エチオピア)
エチオピア商品取引所の整備で収穫・選別の情報提供や流通が改善され、品質向上と輸出産業の基盤づくりが進んだ現場の一例。

出典:『The start of your morning coffee』-Photo by DFID - UK Department for International Development/Wikimedia Commons CC BY 2.0


これは「意外」というより「やっぱり」かもしれませんが、エチオピアやケニアのコーヒー豆は、日本でもかなり人気があります。


特に、スペシャルティコーヒーと呼ばれる上質な豆は、香りの高さ・酸味のバランス・豆の個性が際立っていて、カフェや焙煎専門店では定番中の定番。


エチオピアの“ゲイシャ”や“イルガチェフェ”、ケニアの“AAグレード”など、産地ごとに味が全然違うのもファンを引きつける理由です。


アフリカと日本の距離は遠くても、日常の中にはしっかりとアフリカの恵みが入り込んでいます。アルガンオイルで髪を整え、ケニアのバラを飾り、エチオピアのコーヒーでひと息つく──私たちの暮らしには、気づかぬうちにアフリカが寄り添ってくれているんですね。


情報ソース:外務省