

「アフリカって砂漠が多いよね」──これ、なんとなく知ってる人は多いと思います。でも、なぜそんなに砂漠が広がっているのか、改めて考えたことはありますか?そして実は今、その“乾いた大地”に対して、なんと「ゴミ」を使った緑化プロジェクトが動いているっていう、ちょっと意外で面白い話もあるんです。ここでは、アフリカに砂漠が多い理由と、環境再生の新たな取り組みについて見ていきましょう。
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NASAが撮影したサハラ砂漠の衛星写真。アフリカ大陸北部に広がる世界最大の砂漠の広大な地形を宇宙から捉えたもの
出典:Public domain via Wikimedia Commonsより
まず最初に、アフリカ大陸にはサハラ砂漠、カラハリ砂漠、ナミブ砂漠など、大規模な砂漠地帯がいくつもあります。特にサハラ砂漠は、アメリカ合衆国とほぼ同じ広さで、世界最大の熱帯砂漠として知られています。
じゃあ、なぜアフリカにこんなにも砂漠が多いのかというと、大きく分けて3つの理由があります。
アフリカの北緯・南緯20度付近は亜熱帯高圧帯という空気が沈み込むゾーンに位置していて、雨が降りにくく、乾燥しやすい気候なんです。これは地球全体の気流の仕組みによるもので、「そこにあるから乾く」って感じ。

亜熱帯高圧帯とハドレー循環
低緯度で上昇した空気が緯度30度付近で下降し、高圧帯を形成。サハラなどの乾燥帯を生みやすい背景になる。
出典:『Earth_Global_Circulation』- Photo by Kaidor / Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0より
西アフリカ沖にはカナリア海流、南西部にはベンゲラ海流という冷たい海流が流れていて、これが海の上の空気を冷やす→水蒸気が発生しにくくなる→雨雲ができにくいという連鎖を起こします。

西アフリカ沖の海流と沿岸湧昇
西アフリカ沖を南西へ流れるカナリア海流と沿岸湧昇が海面を冷やし、内陸の乾燥を強める要因となる。これがサハラなどで砂漠が多い理由の一つ。
出典:『Africa_Ocean_Currents_Map-sr』- Photo by Ivan25 / Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0
これは“もともと砂漠じゃなかった場所”が、過剰な農業、放牧、森林伐採などによって劣化していき、「人為的砂漠」になってしまったケース。特にサハラ砂漠の南縁にあたるサヘル地帯では、年々砂漠が南へ拡大しているとも言われています。

タンザニアの過放牧と植生劣化
家畜ヤギが乏しい草本を食む河谷の裸地。踏みつけと採食の繰り返しで土壌が露出し、侵食が進む。
出典: Photo by Gladys Gibbs / Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0
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セネガルの植林プロジェクト
サヘルの乾燥地で住民が苗木を植え、土地の回復と砂漠化対策を進める取り組み。
出典: Photo by McGahuey (USAID) / Wikimedia Commons Public domain
そんな中、アフリカでは砂漠化を食い止めて緑を取り戻そうという大規模な計画が進んでいます。その代表が「グレート・グリーン・ウォール」と呼ばれるプロジェクト。
これはセネガルからエチオピアまで、アフリカ大陸を横断する緑の帯をつくるというもので、約8000kmにわたって植林や農地改良を行い、サヘル地帯の再生を目指しています。
ただ、植林だけでは水や手間がかかりすぎて大変。そんな中で生まれたのが、ちょっと独創的な「ゴミ活用」のアイデアです。
今注目されているのが、プラスチックや農業廃棄物などのリサイクル素材を活用した緑化技術。具体的には、こんなアプローチが取られています:
こうした技術は、「廃棄物問題」と「砂漠化」という2つの課題を一気に解決しようとする動きで、環境系NGOや現地住民の協力のもと、実験的に広がってきているんです。
かつては「もう何もできない」と思われていた砂漠地帯。でも今では、乾いた土地に命を吹き込もうとするプロジェクトが少しずつ形になり始めています。しかもそれが、廃棄物の再利用、地域の雇用、若者の参加といった、他の社会課題の解決にもつながっているんです。
アフリカに砂漠が多いのは、地球の自然の仕組み。でもそこに人の知恵と工夫が加わることで、「乾いた大地」は未来を育てる場所になりつつあります。ゴミで森をつくる──そんな逆転の発想、ちょっとワクワクしませんか?
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