アフリカの地形ってどんな特徴があるの?大陸の“かたち”を知ろう

アフリカの地形の特徴

アフリカの地形は、高原が多く平野が少ない「高原大陸」として知られています。大地溝帯や広大な砂漠、熱帯雨林など、多彩な地形が特徴です。本ページでは、北部から南部までの地形分布や地質構造を理解する上で重要なこのテーマについて、より深く探っていこうと思います。

アフリカの地形ってどんな特徴があるの?大陸の“かたち”を知ろう

「アフリカの地形って、どんなイメージがある?」と聞かれたら、サバンナ?砂漠?それともナイル川?──でも実はアフリカの地形には、“アフリカ大陸ならでは”の特徴がぎゅっと詰まっているんです。しかもそれはただの風景じゃなくて、気候・文化・動物・人々の暮らしにまで深く関わっているんですよ。ここでは、そんなアフリカの「地形」について、大きなスケールでまるっと紹介していきます!



全体の特徴:高くて平らな「卓状大陸」

アフリカ大陸の地形図(高低差を色分け)

アフリカ大陸の地形図(高低差を色分け)
卓状大陸アフリカの特徴である高原が大地全体に広がり、周縁の断崖やアフリカ大地溝帯、エチオピア高原やドラケンスバーグ山地などの起伏が一望できる。

出典:『Africa_topography_map』- Photo by Kartenwerkstatt / Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0より


アフリカ大陸を一言で言うと、「高くてどっしりとした台地」=卓状大陸なんです。つまり、全体的に標高が高めで、山がゴツゴツあるというよりは、なだらかな高原が広がっているのが大きな特徴。大陸のほぼ全域が標高200〜1500mの高原地形で構成されていて、だからこそ“アフリカの空は広くて雄大”に見えるんですね。


また、大きな湾や内海が少ないため、海岸線はわりとシンプル。こうした地形の特徴が、他の大陸に比べて交易が遅れた理由の一つとも言われているんです。


北には世界最大の砂漠「サハラ砂漠」

NASAが撮影したサハラ砂漠の衛星写真。アフリカ大陸北部に広がる世界最大の砂漠の広大な地形を宇宙から捉えたもの

出典:Public domain via Wikimedia Commonsより


アフリカの地形で真っ先に思い浮かぶのがサハラ砂漠。これはアメリカ合衆国とほぼ同じくらいの面積を持つ、世界最大の熱帯砂漠なんです。北アフリカをぐるっと横断するように広がっていて、モロッコ、アルジェリア、リビア、エジプトなどが含まれます。


でも「全部が砂の海」ってわけじゃなくて、岩だらけの荒地(ハマダ)や、砂丘(エルグ)石ころだらけの平原(レグ)など、実はバリエーション豊か。日中は灼熱、夜は0℃近くまで下がるような極端な環境です。


東には「大地が裂ける場所」リフトバレー

東アフリカ大地溝帯(リフトバレー)の衛星画像(ケニア、バリンゴ湖周辺)

リフトバレーの衛星画像(ケニア、バリンゴ湖周辺)
裂けつつある大地に沿って湖と火山の列が並ぶ様子がよくわかる。断層崖と高原の対比が鮮明で、プレート運動がつくる地形の教科書的な景観。

出典:『Great_Rift_Valley,_Kenya_ESA』- Photo by European Space Agency (ESA) / Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0 IGOより


東アフリカには、ちょっとドラマチックな地形があります。それが「東アフリカ大地溝帯(リフトバレー)」。これは地球のプレートが引き裂かれている場所で、エチオピアからモザンビークにかけて南北に長〜い谷が連なっているんです。


この地域は、火山や湖が多くて、ナイロビやアディスアベバなどの都市もこの地形の中にあります。ちなみに、アフリカが将来的に“東西に割れる”かもという地学的仮説も、この大地溝帯に基づいています。



中央部には「世界の森」コンゴ盆地

コンゴ盆地の衛星写真(コンゴ川流域)

コンゴ盆地の衛星写真(コンゴ川流域)
熱帯雨林が広がる盆地地形と蛇行するコンゴ川、周辺の高原とのコントラストがはっきり読み取れるエンビサットの観測画像。

出典:『Congo_River,Africa』- Photo by European Space Agency / Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0 IGOより


アフリカ中部に広がるのがコンゴ盆地。ここはアフリカ最大の盆地で、コンゴ熱帯雨林という広大な森に覆われています。中心にはコンゴ川が流れていて、この地形のおかげで雨が集まり、豊かな森林と水の生態系が維持されているんですね。


ここは地形的に「くぼみ」になっているため、湿気がこもりやすく、まさに“蒸し暑いジャングル”のイメージ。多くの動植物、そして人々の生活もこの地形に支えられています。


南部は「高原と砂漠のミックス」

アフリカ南部の衛星写真(南アフリカ・ナミビア・ボツワナ周辺)

アフリカ南部の衛星写真(南アフリカ・ナミビア・ボツワナ周辺)
砂漠と高原が広がる地形が一望でき、カラハリ高原の乾いた大地と、東縁を走るドラケンスバーグ山脈の壁状地形の対比がはっきりわかる。

出典: Photo by Jacques Descloitres (NASA) / Wikimedia Commons Public domainより


南アフリカを中心とした地域は、カラハリ高原ドラケンスバーグ山脈など、高原と山が入り混じる複雑な地形です。そしてその中心部には、カラハリ砂漠が広がっていて、乾燥と草地が入り交じった独特の風景が見られます。


このあたりは農業に向かない場所も多いですが、鉱物資源が豊富で、金やダイヤモンド、白金などが掘り出される鉱山地帯としても有名です。


西アフリカは「川と低地」のエリア

西アフリカの衛星写真(ギニア湾沿岸域)

西アフリカの衛星写真(ギニア湾沿岸域)
サバンナと海岸線のコントラストが際立つ一枚。内陸を大きく湾曲して流れるニジェール川や、大西洋へ注ぐセネガル川など、西アフリカの水系と地表の広がりが読み取れる。

出典: Photo by MODIS Land Rapid Response Team, NASA GSFC / Wikimedia Commons Public domainより


西アフリカは比較的標高が低く、ナイジェリアやガーナ、セネガルなどを流れる川が生活の中心になっています。ニジェール川やセネガル川などは、雨季には氾濫して肥沃な土地を作り出す一方で、乾季には水不足に悩まされる地域も。


この地形は、古くから交易や農耕文化が発展した背景にもなっていて、かつてのマリ帝国やガーナ王国の栄光にもつながっているんです。


アフリカの地形は、「サバンナと砂漠」だけじゃなくて、高原、盆地、谷、川、山、森が全部そろった“地形のデパート”。この「大地のかたち」を知ることで、アフリカの人々の暮らしや歴史も、もっと立体的に見えてくるようになりますよ。