「アフリカの角」ってどこの国?呼び名に込められた裏の意味

アフリカの角とは

「アフリカの角」は、ソマリアを中心にエチオピア、エリトリア、ジブチを含む地域を指します。地図上でアフリカ大陸の東端が角のように突き出ていることからこの名がつきました。本ページでは、東アフリカ地域の地政学的重要性や歴史的背景を理解する上で重要なこのテーマについて、より深く探っていこうと思います。

「アフリカの角」ってどこの国?呼び名に込められた裏の意味

アフリカの角」って、地図のどこにあるかパッと浮かびますか?
名前だけ聞くと「なんだかトゲトゲした地形のことかな?」って思うかもしれませんが、実はこれ、アフリカ東部のとある地域を指す呼び名なんです。


でも、この“角”という表現には、単に地理的な特徴だけじゃなく、歴史的・政治的・地政学的な意味合いがたっぷり詰まっているんですよ。


ここではそんな「アフリカの角」の意味と、その呼び名に隠された背景をわかりやすく解説します!



「アフリカの角」ってどこ?

アフリカの角の衛星写真(ソマリア・エチオピア・エリトリア・ジブチ周辺)

アフリカの角の衛星写真
インド洋に突き出す半島部を上空からとらえたNASAのMODIS画像。乾燥地帯と高地、紅海とアデン湾の海岸線がくっきりわかる。

出典: MODIS Land Rapid Response Team, NASA GSFC / Public domain (US Government)


「アフリカの角(Horn of Africa)」とは、アフリカ大陸の東端、紅海とインド洋に突き出した部分を指す呼び方で、主に以下の国々が含まれます:


  • ソマリア
  • エチオピア
  • エリトリア
  • ジブチ


地図を見ると、この地域がアラビア半島のすぐ向かいにあって、ちょうど大陸から「角」のように突き出していることから、英語で「Horn(角)」と呼ばれるようになったんですね。


地理以上に“戦略的に重要”な場所

「角」とは言っても、この地域が注目されるのは見た目の形だけじゃありません。 実はここ、地政学的に超重要な場所でもあるんです。


なぜかというと──


  • 紅海とインド洋の出入り口に位置していて、スエズ運河を通じて世界の海運の要所になっている
  • 石油や物資の主要航路に面しているので、大国(アメリカ、中国、EU、トルコなど)の軍事基地や港湾投資が集中
  • アラビア半島との文化・宗教的なつながりも深く、アフリカと中東を結ぶ“橋”のような役割を果たしている


だからこそ、「アフリカの角」は昔から争いと注目の的でもあり続けているんです。



“角”に込められた、もうひとつの意味

キスマヨへ前進する政府系民兵とAMISOM部隊の車列(ソマリア内戦)

キスマヨへ前進する政府系民兵とAMISOM部隊の車列(ソマリア内戦)
アフリカの角の要衝キスマヨへ向かう作戦の一幕で、政府側民兵が重機関銃搭載の車両でAMISOM部隊と合流している様子を収めた現地写真。

出典: Photo by AMISOM Public Information / Creative Commons CC0 1.0


この地域に暮らす人々は、豊かな歴史と文化を持っています。たとえばエチオピアはアフリカ最古の王国のひとつで、独自の文字や暦、キリスト教文化が今も息づいています。


一方で、政治的不安定、干ばつ、難民、テロといった厳しい課題が集中している地域でもあります。


ソマリア内戦、エチオピアの内紛、エリトリアとエチオピアの国境対立など、「アフリカの角」は長く“火薬庫”とも呼ばれてきた場所なんです。


そう、実はこの「角(Horn)」という表現には、“尖っていて不安定な場所”というようなニュアンスも含まれているんですね。


今、「角」は変わりつつある

とはいえ、最近では経済やインフラの発展も進みつつあります。たとえば──


  • エチオピアは製造業・観光産業で成長を見せている
  • ジブチには国際物流ハブとしての港湾整備が進み、中国や日本も関与
  • ソマリアでは和平プロセス復興支援が少しずつ動き始めている


国ごとの状況には差がありますが、「角」のイメージも少しずつ鋭さから希望へと変わりつつあるのかもしれません。


「アフリカの角」とは、単なる地形の呼び名ではなく、歴史・戦略・文化・対立・再生──そういったさまざまな意味が詰まった言葉なんですね。地図の片隅にあるその“角”には、アフリカと世界をつなぐ大きな物語が息づいているんです。