

アフリカってひとくくりにされがちだけど、実は50以上の国と1000を超える民族がある、めちゃくちゃ多様な大陸なんです。当然ながら、「何を主食にしてるか」も地域によってぜんぜん違うんですよ。
パンやお米だけじゃない、キャッサバやトウモロコシ、雑穀など、その土地で育てやすい作物をうまく使って、しかも食べ方にも個性があるのが面白いところ。
この記事では、アフリカの主な地域ごとに、どんな主食があるのか、そしてそれをどう食べるのかをのぞいてみましょう!
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フフとアファン・スープ(ナイジェリア)
キャッサバやヤムを搗いて作る主食フフを、青菜と肉や魚の旨味が出たアファン・スープにちぎって浸して食べる。西アフリカ一帯で広まる実用的な食べ方で、手でつまんで口へ運ぶのが基本。
出典:『Soup (Afang) and swallow (fufu). (Nigerian cuisine)』-Photo by Beendy234/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0
ナイジェリアやガーナを中心とした西アフリカでは、キャッサバ・ヤムイモ・プランテン(調理用バナナ)をつぶして練った「フフ」や、トウモロコシ粉を使った「バンク」が定番の主食です。
どちらももちもちした団子状で、カレーみたいな濃厚スープにちぎってつけて食べるのがスタイル。
しかもフォークやスプーンじゃなくて手で食べるのが基本!手でちぎって、くるっと丸めて、スープをすくうようにして口へ──これがまた上手な人はめちゃくちゃカッコいいんです。
インジェラの焼き上げ(エチオピア)
テフ粉の酸味ある薄焼きパンをミタッドという円盤のような鉄板で焼き、主菜をのせて手でちぎってすくう主食。エチオピアやエリトリアの食卓で広く親しまれている。
出典:『Injera, Ethiopian bread made from teff a cereal native to Ethiopia』-Photo by Visio/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0
エチオピアやエリトリアといった東アフリカの主食といえば、「インジェラ」。これはテフという栄養豊富な穀物の粉を発酵させて焼いた、大きなクレープ状のパンなんです。
味はちょっと酸っぱめで、最初はびっくりする人も。でもスパイスたっぷりの煮込み料理と一緒に食べると、これが不思議と合うんです。
しかも皿ごとインジェラ。つまり、大皿にインジェラを広げて、その上に具を乗せて、ちぎってすくって食べる。これまた手で食べる文化で、みんなで同じお皿を囲むのがまた楽しい。

パップとシェバ、ソーセージとラムチョップ(南アフリカ)
トウモロコシ粉の主食パップにトマトと玉ねぎのソース(シェバ)を合わせ、肉料理を添えた定番の盛りつけ。家庭の食卓から屋外のブライ(炭火料理)まで広く親しまれている。
出典:『Pap with sheba, wors and mutton chop』-Photo by Pietersielie(PC)/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0
南アフリカやジンバブエ、ボツワナなど南部アフリカでは、「パップ(pap)」と呼ばれるトウモロコシ粉の練り粥が主食です。これ、ちょっと日本のおかゆとかマッシュポテトに近い食感。
朝はミルクと砂糖で甘くして、夜は肉の煮込みや野菜の炒めものと一緒に食べるなど、一日中活躍する万能食なんです。
ちなみに硬さは地域や家庭によって違って、ふわふわのものからモッチモチの団子状までいろいろ。これも手でくるっとすくって食べるのが一般的です。
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クスクスの盛られた大皿(モロッコ)
蒸したクスクスの上に、カボチャ、ズッキーニ、ひよこ豆、ヤマウズラの卵が乗せられている。
出典:『Moroccan cuscus, from Casablanca, September 2018』-Photo by Lmmima/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0
モロッコやチュニジア、エジプトなど北アフリカでは、小麦文化が中心。特に有名なのが「クスクス」ですね。
これは小さな粒状のパスタのようなもので、肉や野菜の煮込みと一緒に蒸して食べる、ふんわり系の主食です。
また、平たいパン(ホブス)もよく食べられていて、スープやディップをすくって食べるのが定番のスタイル。
中東とつながりが深い地域だからこそ、アラブ系の食文化との融合も見られるのが特徴です。

葉包みのキャッサバ「クワンガ」
発酵させたキャッサバを棒状に成形して葉で包み、蒸して作る。ちぎってソースや煮込みに浸して食べ、コンゴ川流域〜中央アフリカ一帯で定番。
出典:『Cassava Bread - cassava cooked in leaf wrap (Kwanga, Chikwangue)』-Photo by T.K. Naliaka/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0
コンゴ民主共和国や中央アフリカ共和国など中央アフリカの主食は、なんといってもキャッサバ(タピオカの原料)。
すりおろして発酵させたものを蒸したり、乾燥させた粉で「クワンガ」や「フフ」を作ったりと、加工のバリエーションがめちゃくちゃ多いんです。
キャッサバ葉も煮込んで食べるので、まさに捨てるところがないエコな主食!
アフリカの主食って、「何を食べるか」だけじゃなくて、「どうやって食べるか」「誰と一緒に食べるか」までがセットなんです。手で食べること、みんなで囲むこと、その土地の恵みを活かすこと──そこに生き方や文化がしっかり刻まれてるんですね。
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