

アフリカで有名な果物といえば?──と聞かれたら、実は南国のトロピカルフルーツだけじゃないんです。アフリカの果物って、その土地ならではの風土や暮らしとがっつり結びついていて、中には「これ本当に果物!?」って驚くようなものもあるんですよ。ここでは、アフリカでよく食べられている、または文化的に大切にされている果物たちを、地域別にご紹介します。
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アフリカの気候分布(ケッペン区分)
赤道直下の熱帯雨林からサハラの乾燥帯、南北の温帯域まで広がり、地球上のほぼすべての気候帯が見られることが、アフリカを「果物の宝庫」たらしめている。
出典:『Africa Koppen Map』- Photo by Peel, M. C.; Finlayson, B. L.; McMahon, T. A. / Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0
アフリカ大陸は気候が多様だから、乾燥地帯でもジューシーな果物が育ったり、熱帯のジャングルには自然発生のワイルドフルーツがあったりするんです。中には市場で当たり前に売られてる果物もあれば、村の裏山でしか取れないレアものまでさまざま。どれもその地域の暮らしや食文化に深く関わってるのが面白いところです。
アフリカでは本当に多種多様な果物が栽培され、食べられていますが、特に有名なところだと
などなど。それぞれの果物は以下のような特徴をもっています。

バオバブの実(アダンソニア・ディギタータ)
硬い殻の中に乾いた白色果肉と種子が入っていて、果肉は水に溶かしてジュースにしたりおやつとして食べられる。ビタミンCが多く、アフリカ各地で利用されてきた。
出典:『Adansonia digitata fruit MHNT』 - Photo by Roger Culos / Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0
アフリカの象徴みたいなバオバブの木。実はその木にできる果実も食べられるんです!中は白い粉状で、ビタミンCやカルシウムが豊富。スムージーやジュース、アイスクリームにも使われていて、「スーパーフード」として海外でも注目されています。

モンキーオレンジの果実
堅い殻の中に酸味のある果肉と種子が入るアフリカ産フルーツで、熟すと黄色くなり飲み物やおやつに使われる。
出典:『Strychnos spinosa (fruits)』-Photo by Hans Hillewaert/Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0
名前が独創的ですが、実はサバンナ地帯で野生動物も大好きな果物。皮は硬いけど中身は甘酸っぱくて、ゼリーっぽい食感。ジンバブエやボツワナなど南部アフリカで人気です。

南アフリカのパパイヤの木
幹の上部に実が房状につく熱帯果樹で、アフリカ各地で栽培される。完熟果は生食やジュースに、未熟果は料理にも使われる。
出典:『Papaya trees in South Africa』-Photo by Olga Ernst/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0
日本でもおなじみのパパイヤは、アフリカのほぼ全域で広く栽培されています。生でも食べられるし、煮込み料理に入れたり、種を乾燥させてスパイス代わりに使ったりと、食材としての応用範囲が広いのが特徴。
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タンザニア・モロゴロのマンゴーの実
枝に鈴なりに育つ熱帯果樹で、アフリカ各地で栽培される。完熟果は生食やジュースに、未熟果は料理にも使われる。
出典:『Maembe-mtini-Morogoro-Tanzania』-Photo by Aneth David (SLU)/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0より
特に西アフリカ〜中央アフリカで大人気。マンゴーの季節になると市場が色づき、路上でそのままかじる子どもたちの姿も日常の風景。味も甘みも濃厚で、日本のスーパーでは出会えない濃さです。

グアバの実(ウガンダ)
甘酸っぱい果肉をもつ熱帯果樹で、アフリカ各地で栽培される。生食やジュース、ジャムなどに使われる。
出典:『Common guavas』-Photo by Kaweesaesther/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0
スムージーやジュースによく登場。甘みと香りが強く、食物繊維や抗酸化成分も豊富で美容や健康志向の人にも人気です。家庭の庭にグアバの木があるって人も多いんですよ。

キャベンディッシュ種のバナナの房(タンザニア)
市場に出るときは皮がやや緑色で、追熟すると黄色くなるタイプ。アフリカ各地で流通し、生食やスイーツに幅広く使われる。
出典:『Typical Cavendish bananas in Tanzania』-Photo by Erasmus Kamugisha/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0
アフリカのバナナは食用バナナ(甘い)だけじゃなく、プランテン(料理用バナナ)も主役級。プランテンは炒めたり、蒸したり、スープに入れたりと、芋感覚で主食扱いされる果物なんです。

ココナッツの実(ナイジェリア・カドゥナ州)
硬い殻に包まれた果実で、内側の胚乳は飲料や料理、油の原料として活用される。アフリカの沿岸部や市場で広く見られる日常の食資源。
出典:『COCONUT FRUITS』-Photo by Bambi Cia / Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0より
アフリカでのココナッツ栽培は、特に西アフリカと東アフリカの沿岸地域でさかんです。この地域では、ココナッツが食料、油、飲料、化粧品、工芸品などじつに色々な目的で利用されており、経済的にも重要な作物になっているんです。
アフリカの果物には、宗教・儀式・医療の中で重要な役割を果たすものもあります。たとえば:
食べるだけじゃなく、暮らしの道具や祈りの道具として果物が使われているのも、アフリカならではの深いつながりですね。
アフリカの果物は、ただ甘くておいしいだけじゃなくて、生きる知恵や文化のかけらが詰まってるんです。次にジュースを飲むとき、その果物がどこから来たのか、ちょっと気にしてみたくなりませんか?
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