

アフリカっていうと、サバンナやジャングルもあるけれど、やっぱり砂漠のイメージが強いですよね。
でも、そんな乾いた大地のど真ん中でも、ちゃんと作物を育てて生きている人たちがいるんです。それを支えているのが、そう、「オアシス農業」!
一見「水がないのにどうやって農業なんて?」って思いますよね。でもそこには、驚くような工夫や知恵が詰まってるんですよ。
ここでは、アフリカで今も行われているオアシス農業のしくみと特徴について、わかりやすく紹介します!
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オアシスのナツメヤシ林と穀物畑(モーリタニア、1960年)
木陰を活かして小麦や大麦を区画栽培する、典型的なオアシス農業の景観。
出典:『Photo Small plots of wheat and barley among the palm trees 1960 - Touring Club Italiano BBC 16』-Photo by Touring Club Italiano/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0
オアシス農業とは、砂漠の中にある水源(=オアシス)を活かして行う農業のこと。
主に行われているのは、アフリカのサハラ砂漠周辺の国々。たとえば──
などの北アフリカの乾燥地域で多く見られます。
広い砂漠の中で、緑のエリアがポツンと現れる──それがオアシス。まさに“生命の島”なんですね。

オアシス農業のカナート(水路)断面図
麓の地下水面に掘った母井戸から、わずかな勾配の地下トンネル(Qanat Channel)で水を重力輸送し、縦穴(Access Shaft)は施工・保守のために地表とつながっている様子を示す。 水は沖積層を通って出口(Outlet)で湧き、堰や水門・用水路網(Distribution)によって耕地へ配分され、蒸発損失を抑える。 この仕組みにより、乾燥地でも安定した灌漑ができ、オアシス農業を成立させている。
出典:『Qanat cross section』-Photo by Samuel Bailey/Wikimedia Commons CC BY 3.0
オアシスって、川が流れてるわけでもないのに、どうして水があるの? という疑問を持つ人もいると思いますが、実はその多くは地下水。
数千年前の雨や氷河期の水が地下にしみこんで溜まっている「化石水(ふるい水)」をくみ上げて、農業に利用しているんです。
伝統的にはカナート(水路)という地下トンネルを掘って水を引いたり、揚水ポンプを使って井戸からくみ上げたりして、水をムダにしない工夫がされています。
オアシス農業の面白いところは、その立体的な作り!
というのも、砂漠はとにかく日差しが強い。だから──
という三層構造の“立体農業”が使われてるんです。
こうすることで、直射日光をやわらげ、水の蒸発を防ぎながら、多種類の作物を同時に育てられるというわけ。
ナツメヤシの実は栄養価も高く、保存もきくので、現地の人たちにとってエネルギー源にも貴重な収入源にもなるんです。
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水が超貴重なオアシス農業では、水の分配にもルールや伝統があります。
たとえば──
など、まるで水を“みんなの財産”として大事に守ってるんです。
この協力の仕組みがないと、すぐに争いごとになってしまう。だからこそ、古くから続くオアシス農業には人間関係の知恵も詰まってるんですね。
気候変動が進む今、乾燥地でも持続可能な農業をどうやって続けるかが世界的な課題になっています。
そんな中で、オアシス農業の知恵──
これらが“サステナブルな農業モデル”として注目され始めているんです。
ドローンや気候センサーなどを使ったスマートオアシス農業なんていう新しい試みも、今まさに動き始めているところなんですよ。
オアシス農業は、砂漠の中で人々が生き抜くために生まれた、知恵と工夫の結晶です。限られた水を分け合い、太陽と上手につきあいながら作物を育てる──その姿は、まさに“環境と共に生きる農業”。未来のヒントが、砂漠の緑の中にあるのかもしれませんね。
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